交通“大動脈”が寸断 首都圏では大規模停電・・・深夜の震度6強(2022年3月17日)

交通“大動脈”が寸断 首都圏では大規模停電・・・深夜の震度6強(2022年3月17日)

交通“大動脈”が寸断 首都圏では大規模停電・・・深夜の震度6強(2022年3月17日)

16日午後11時36分ごろ、宮城県と福島県で震度6強を観測する地震がありました。夜が明けて、多くの被害がわかってきました。

東北新幹線・東京発仙台行きの『やまびこ223号』。17両中16両が福島駅と白石蔵王駅との間で脱線しました。
JR東日本・市川東太郎副社長:「福島と仙台の間は、かなり被害が大きいだろうと考えていて、この区間の運転再開については、年度内は厳しいのではというのが現時点で把握している情報から考えているところ」
東北新幹線は、少なくとも21日まで、那須塩原駅と盛岡駅の間で終日運転見合わせとなり、それ以外の区間では、臨時ダイヤを組むということです。

高速道路も、大きな被害が出ています。
NEXCO東日本などによりますと、東北自動車道は、宮城県の白石ICから福島の県境にかけ、10カ所以上で、路面のひび割れや隆起があるといいます。一部で通行止めとなっていましたが、17日午後、解除され、全線で通行可能となりました。常磐自動車道は上下線で、通行止めの区間があり、NEXCO東日本は、19日の午前中をめどに解除したいとしています。

ANNのまとめでは、今回の地震で3人が死亡、219人がけがをしました。

宮城県と福島県を中心に、広い範囲で断水が起きました。福島県は、給水支援に関する災害派遣要請を行い、政府は、自衛隊を早期に派遣すると明らかにしました。

福島県新地町では、自宅が被害にあった住民が、応急手当のシートを受け取りに来ていました。玄関先には屋根瓦が散乱し、窓ガラスも割れ、外壁には、大きな亀裂が入っていました。シートをもらってきましたが、自分たちでは、屋根に上れません。業者も忙しく、手配の目途が立たない状態です。
渡辺真一さん(82):「何からやっていいか、わからない」

福島県国見町も、最大震度6強を観測しました。藤田総合病院では、地震で貯水タンクに穴が開きました。病院内の水道や透析患者用などに必要な水。17日朝から断水しているため、水は減るばかりです。
藤田総合病院・宍戸喜幸事務長:「1時間に10トン近くは漏れてしまっている。医療に支障をきたすような量の漏れ方。約110人の透析の患者さんがいる。(最大で)1日に約50トン水を消費する」
今のところ、自衛隊などからの給水で持ちこたえています。修理は、18日朝まで夜通しで行われる予定です。

地震とともに、多くの地域を襲ったのが深夜の停電でした。東京電力の管内では、約210万軒が停電しました。ただ、23区の震度は『4』でした。今回の停電、もっと大きな規模で電気が止まるのを防ぐ安全装置のような仕組みが働いて起きたものでした。

電力の安定には、使う側の“需要”に合わせて、発電側の“供給”が、常にバランスを保ち、周波数を一定にする必要があります。今回の地震で、発電側では福島方面にある518万キロワット程度の発電機がストップ。このままでは周波数の安定が崩れ、より広い範囲での大停電となる恐れがありました。そこで、ストップした発電量に合わせて、需要をいったん遮断する仕組み、つまり、強制的に停電させる『周波数低下リレー』が作動しました。今回の地震では、送電システムなどにトラブルが確認されなかったため、東京電力管内の停電は、地震から3時間半ほどで、復旧しました。

福島県相馬市では17日夜まで停電しました。
山田スミ子さん(70):「(午後)4時になったらピタッと消えて、それからつかない。とにかく寒さしのぎだけしとくかなと思って」
16日は、怖くて車の中で寝たという山田さん夫婦。電気も水道も止まっていますが、布団で寝たいからと、17日夜は自宅で過ごすことを決めました。
山田スミ子さん(70):「1000年に一度を何回も経験しなくてもよかったなと。お互い声をかけることが大きな力になる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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