西側諸国と連携を強めるゼレンスキー大統領 NATO加盟はできないとの認識を改めて示す

西側諸国と連携を強めるゼレンスキー大統領 NATO加盟はできないとの認識を改めて示す

西側諸国と連携を強めるゼレンスキー大統領 NATO加盟はできないとの認識を改めて示す

ウクライナ情勢です。ゼレンスキー大統領はNATO=北大西洋条約機構に加盟する、東ヨーロッパ3か国の首脳とキエフで会談を行うなど、西側諸国と連携を強めています。一方でNATOへの加盟はできないとの認識を改めて示しました。

ゼレンスキー大統領は15日、首都キエフを訪れたポーランドのモラヴィエツキ首相、チェコ、スロベニアの首相らと会談しました。ウクライナへの支援やロシアへの制裁の強化などについて協議したとみられます。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「私たちはこの国々とその首脳を絶対的に信頼している」

ポーランド モラヴィエツキ首相
「あなたを1人にはしない。私たちはともにある」

会談後、ポーランドの副首相は「NATOなどによる平和維持活動が必要だと思う」と話しました。また、ゼレンスキー大統領はカナダ議会下院にオンラインで登場。ロシアによる侵攻以降、ウクライナから国外へ逃れた人の数が300万人を超えるなか、NATOに対し、ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定するよう改めて求めるとともに、カナダに経済制裁の強化も求めました。

一方でゼレンスキー大統領はバルト3国やイギリスなどの首脳らとのビデオ会合ではNATOへの加盟はできないと認識したと話しました。

ウクライナ ゼレンスキー大統領
「扉はずっと開かれていると言われてきましたが、加盟できないとも聞きました。真実でしょうし、認めざるを得ません」

ゼレンスキー大統領はこのような指摘をした上で、「ウクライナが持ちこたえなかったら、ロシアの兵器はヨーロッパに向けられる。自身の利益のために我々を助けてほしい」と主張。さらなる対空防衛システムや戦闘機などの供与を求めました。

ゼレンスキー大統領はこれまでも、「NATOはウクライナを加盟させる用意がない」との認識を示していましたが、ロシアとの交渉が続く中で改めて発言したことが注目されています。

こうした中、ロシア政府は15日、人権保護などを目的とする国際機関、欧州評議会に脱退を通告しました。欧州評議会では先月、ウクライナ侵攻を受けて閣僚委員会などでのロシアの投票権を一時停止し、除名に向けた手続きが始まっていました。脱退するとロシア国民はロシア政府の人権侵害を欧州人権裁判所へ訴えることができなくなります。

一方、ロシアとウクライナのオンライン形式の停戦交渉は3日目となる16日も行われる見通しです。交渉について、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、「とても難しく粘り強さが求められる交渉だ。根本的な矛盾があるが、妥協する余地も確かにある」としています。

また、ロシア側はプーチン大統領がEU=ヨーロッパ連合のミシェル大統領との電話会談の中で、「ロシアの要求を考慮にいれた合意を結ぶため作業が行われている」と説明しています。

国連によるとウクライナではロシア軍による侵攻後、市民636人が死亡。15日は首都キエフ近郊で取材中だったカメラマンのピエール・ザクジェスキーさん(55)が、車で移動中に銃撃を受け、死亡したとアメリカのFOXニュースが伝えていて、停戦交渉が続けられるなか、市民や外国人への被害は広がり続けています。

(16日11:11)

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