“人道回廊”行き先はロシア・・・仏マクロン大統領怒り「偽善だ」(2022年3月8日)

“人道回廊”行き先はロシア・・・仏マクロン大統領怒り「偽善だ」(2022年3月8日)

“人道回廊”行き先はロシア・・・仏マクロン大統領怒り「偽善だ」(2022年3月8日)

 3回目の停戦協議が、日本時間8日未明に終了しました。合意には至りませんでしたが、10日にはウクライナとロシアの外相が、侵攻後初めて会談します。

■4回目の交渉・・・ベラルーシで開催か

 ウクライナとロシアの3回目の停戦協議は、日本時間の7日午後11時すぎに始まりました。

 協議は、休憩を含む4時間ほどで終了しました。

 ウクライナ代表団:「今回の協議で期待したことは失敗に終わったが、次回はより大きな前進が期待できるだろう。会談は継続される」

 ロシア代表団:「せめて、議定書にだけでも署名ができると期待していたが、できなかった。ウクライナ側はすべてを検討すると言って、持ち帰った」

 ロシアのタス通信は、4回目の交渉は近いうちに、ベラルーシで行われると報じています。

 また、トルコのチャブシュオール外相は、10日にロシアのラブロフ外相、ウクライナのクレバ外相と、3者会談を行うことを明らかにしています。

■ウクライナ“空港奪還”SNSで報告

 ウクライナ海軍が公開した動画。軍港があるオデッサでロシア艦隊を撃退した際の様子だということです。

 南部の黒海沿岸の都市を、ロシア軍に攻略されてきたウクライナ。オデッサを失うと、海に出られなくなる危機的状況に陥っていました。さらに・・・。

 ミコライウ州・キム州知事:「ウクライナからこんにちは。空港を取り戻しました!飛行機はまだ飛ばないが、空港は私たちのものになった」

 ウクライナ南部のミコライウ地方のキム知事は7日午後、SNSで空港を奪還したと報告しました。

■「ロシア砲撃」で“人道回廊”は・・・

 戦闘の長期化が懸念されるなか、両国の間で駆け引きが続いているのが、民間人を避難させるためのルート「人道回廊」の設置です。

 今月3日に行われた2回目の停戦協議で、両国が合意したものの、実現されていません。

 マリウポリ・ボイチェンコ市長:「私たちは、だまされました。午前9時から午後6時まで、停戦となりました。準備するように言われ、バスも用意しました」

 停戦が進んだものと信じた住民を裏切ったといいます。

 ボイチェンコ市長:「ロシア軍は、私たちのバスの車列を砲撃し、半分を破壊しました。人々に、避難のための集合場所に集まるよう呼び掛けた瞬間、砲撃が始まったのです」

 ウクライナ南東部にある港湾都市・マリウポリ。水道も電気も通信も止まり、食料も入ってこない状態に陥っていて、今、20万人以上が避難の時を待っているとされています。

 兵士:「安全を第一に考えて、車を走らせて人々に警告しています」
 住民:「避難できないということ?」
 兵士:「(敵に)攻撃しないよう警告するために来たんです。今も(銃撃戦が)起きているのが分かりませんか?」

 ウクライナ・ベレシュチュク副首相:「残念ながら、きょうもまた、ロシアの砲撃によって、人道回廊を開くことができませんでした」

 これに対し、ロシア側は、ウクライナ側に非があるとして、強硬な姿勢を崩しません。

 ロシア国防管理センター:「ロシアは、民間人や外国人を封鎖された地域から避難させるため、最善を尽くしています。ボルノバーハとマリウポリにおける人道回廊は毎日、開かれています。しかし、ウクライナ軍は、ロシア方面に避難しようとする民間人の行く手を、断固として阻んだ」

■仏マクロン大統領怒り「偽善だ」

 そうしたなか、3回目の停戦協議が開催されるのを前に、ロシア側は人道回廊の設置を表明しました。

 フランスのマクロン大統領に呼び掛けられたものだといいます。

 ロシア国防省:「プーチン大統領が、フランス共和国のマクロン大統領から個人的にもらった依頼で、ロシア軍は人道上の配慮として7日、『停戦期間』を発表し、人道回廊を開く」

 ロシアは日本時間の7日午後4時から、首都キエフやマリウポリなど4都市で、一時的に戦闘を中止。改めて人道回廊と主張するルートを設置すると、一方的に発表しました。

 ロシアが示したルートでは、避難の行き先は敵国であるロシアか、ロシアと同盟を結ぶベラルーシとなっています。

 これに、ウクライナ側は反発しました。

 スムイ州知事:「住民、ロシア国籍住民、おじいちゃん、おばあちゃん、女性や子どもをスジャ付近に到着したバスに乗せようとして、ウクライナ住民はロシアに避難しているという証拠を、プロパガンダのために作ろうとしている」

 ベレシュチュク副首相:「このような『人道回廊』は、到底容認できません。キエフや他の都市の住民は、飛行機でベラルーシを経由し、ロシアへ避難するなど、そんなことはできません」

 また、ロシア側は、フランスからの要請に応じて人道回廊を用意したと説明しましたが、フランス側は、それを否定しています。

 マクロン大統領:「すぐに脅かされるような人道回廊を使って『人々を保護してロシアに連れて行く』という、偽善的な演説は信じがたいものだ。これは道徳的並び政治的な皮肉であり、私には耐えられない」

(「グッド!モーニング」2022年3月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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