岸田総理の“クーデター”は「両刃の剣」 ポスト岸田の出現…避けるため重要な2局面【スーパーJチャンネル】(2024年1月26日)
派閥を巡り、26日も様々な動きがありました。今後、自民党はどうなっていくのでしょうか。岸田文雄総理大臣の本音を探っていきます。
ジャーナリストの後藤謙次さんに、話を聞きました。
■岸田総理のクーデターは「両刃の剣」
後藤さんは、岸田派の解散を「総理のクーデター」と称しています。
岸田派の解散後、3つの派閥が解散を決めています。その影響で今、無派閥議員が7割にも上る状況になりました。
後藤さんは、この状況について「総理のクーデターが順調に進んでいる」と話しています。
ただ、この展開は「両刃の剣でもある」そうです。
後藤さんによりますと「岸田総理が派閥の解散を表明したのは、9月の総裁選を見据えてのこと」だと言います。
後藤さんは「派閥は一度解散してしまうと、再結集するのは難しい状況。無派閥となった7割を、岸田総理が派閥解散というリーダーシップをとって取り込むことで、総裁選圧勝という道が見えてくる。それこそが、岸田総理の描いたシナリオだ」と分析しています。
■“ポスト岸田”が登場すれば…
一方で、リスクもあります。
現在の「7割の議員が無派閥」という状況では、岸田総理のライバル、いわゆる”ポスト岸田”が不在です。
そこに新しいリーダー候補が出てくれば、その7割が新たなリーダー候補の方に転じてしまう可能性もあります。
後藤さんによりますと、「過去にも、そういった例が実際にあった」と言います。
それは、小泉純一郎元総理大臣の例です。
当時、自民党が混沌としている時代に「自民党をぶっ壊す」というキャッチーなフレーズを使って総裁になり、スターダムを駆け上がっていきました。
岸田総理がそういった状況を避けるためには重要な局面が「2つある」と、後藤さんは言います。
■重要な「2つの局面」1つ目は…?
1つ目は「3月の自民党大会」です。
自民党の最高意思決定機関なのですが、この場で岸田総理が、どの様な具体的な策を示すことができるのかが重要です。
後藤さんは「パーティー券収入がなくなった状況で、議員たちは資金援助などを気にしている。この状況に対して、具体的な策を示すことができるかが、党内の支持や無派閥を取り込むカギになる」と話しています。
■2つ目は「内閣改造と党人事」
2つ目は「内閣改造と党人事」です。
後藤さんによりますと「予算案成立後の5月ごろに行われるのではないか」という話がありました。
その狙いについては「あえて内閣にライバルを取り込むことで、総裁選に出づらい状況をつくり、さらに“ポスト岸田”の芽を摘んでおくこと。さらに、この流れの中で『派閥人事を脱却した』と世論に示すことで、支持率も上がる可能性があり、党内の求心力を高められる」ことだと言います。
そして後藤さんは、「この2つをうまく乗り切れば、総裁選挙の勝利をグッと手繰り寄せられる」と分析をしています。
■派閥の問題…国民が置き去りにされている状況
どうにか総裁選を勝ちたいという、総理の思惑が伝わってきます。しかし、話を聞いてても、どうしても自民党内の話ばかりだという感じはします。
後藤さんは「この派閥を巡る問題というのは、あくまで党内の駆け引きであって、国民が置き去りにされている状況」と指摘し、「ですから、その中で政治とカネの問題というのに対して、説明が尽くされることというのが何よりも重要だ」と話していました。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月26日放送)
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