「子供だけでは何もできなかった」悔しさバネに…高校生が取り戻した演奏会(2024年1月23日)

「子供だけでは何もできなかった」悔しさバネに…高校生が取り戻した演奏会(2024年1月23日)

「子供だけでは何もできなかった」悔しさバネに…高校生が取り戻した演奏会(2024年1月23日)

新型コロナウイルスの感染拡大から4年。先日、横浜である演奏会が開かれました。テーマは「響け2020のハーモニー」
あの時を取り戻したい。若者たちが悔しさを胸に舞台に立ちました。
学校や年齢もバラバラの若者たち。ただ一つ共通していることがあります。それは、4年前に感じた悔しい思い。
コロナ禍により、吹奏楽コンクールが中止となってしまったのです。

「もう一回、2020年のハーモニーを取り戻したい」

この演奏会を企画したのは、現在高校3年生の江頭奈桜(えがしらなお)さん。当時は中学3年生でした。
新型コロナによって、様々なイベントが中止にー。
2020年の夏に行われる予定だった「全国吹奏楽コンクール」もその一つでした。

江頭奈桜さん
「当時悔しさとか怒りとかがすごい自分の中であって、学生にとっての吹奏楽コンクールの大切さとかをホントに大人はわかってくれてるのかなっていうこととかもすごい思って、子供だけでは何もできないっていう思いが中学生の時の私にはすごくあったので、SNSを通して全国に募集をかけ、およそ1年半前から準備を進めてきました。当時の悔しい思いをした仲間たちと一緒に、もう一回、2020年のハーモニーを取り戻したいなって思って、はじめました」

「他の誰かとまた演奏しようというのじゃ、埋め合わせしきれない」

趣旨に賛同して早くから活動に参加していた高校3年生の稲垣さん。実は少し違う気持ちが芽生えてきたと言います。

稲垣佳歩さん
「なんか違うなって思たんですね。中学に入学して、初めて楽器を触って、合奏とか吹奏楽について何も知らないところからみんなで成長してきた2年間頑張ってきた仲間と最後3年目に全力を出し切るっていうことに、わたしにとってはコンクールはそういう意味があったので。2020年の代わりとして他の誰かとまた演奏しようというのじゃ、埋め合わせしきれないかなって気づいたんです」

「2020年からおよそ3年間、こういうことがあったんだぞっていうのを忘れないっていうことが一番大事」

様々な思いの人が集まった吹奏楽団。中にはこの活動に強く賛同した社会人もいます。佐藤龍弥さん、演奏会活動での経験も豊富です。

佐藤龍弥さん
「自分より10歳以上下の子もいますし、そういった子たちが一生懸命やっているっていうのを見たら、サポートせずにはいられないなと思いました。2020年からおよそ3年間、こういうことがあったんだぞっていうのを忘れないっていうことが一番大事かなと思います」

「この3年分の思いものっかって、さらにいい演奏ができたんじゃないかな」

当日演奏された楽曲「トイズ・パレード」は2020年の全国吹奏楽コンクールの課題曲の一つでした。多くの人が練習していましたが、コンクールでこの年に演奏されることはありませんでした。

コンサートを終えて、
「埋め合わせはしきれない」と感じていた稲垣さんは
「このメンバーでは、2020年の時の悔しさを晴らすことはできないって言ったんですけど、思ったよりそれについて思ってることはなくて、自分でもちょっとびっくりするぐらい、整理がついてたのかなって、もうすでにそんなに気にしてなかったのかなって思ってます。今はホントに達成感と、ほんとに楽しかったなっていう、このメンバーで演奏できてよかったなって思ってます」

この演奏会を立ち上げた江頭さんは
「取り戻せた以上だと思ってて、取り戻せたら100%だったら、今日のは120%ぐらいだったなっていうふうに思えます。ただ取り戻したっていうよりは、それにプラスこの3年分の思いものっかって、さらにいい演奏ができたんじゃないかなと思っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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