フーシ派幹部が警告…日本の船再攻撃の可能性も…19歳“甘いマスクの海賊”SNS話題に【ワイド!スクランブル】(2024年1月23日)
中東の紅海周辺で船舶を攻撃しているイエメンの武装組織「フーシ派」幹部がANNの取材に答え、再び日本の船を攻撃する可能性もあると警告。そんな中、自身をイエメンの“海賊”だとするティックトッカーが注目されている。
■「フーシ派」幹部…ANNの取材に回答
イエメンの首都・サヌアの通りを埋め尽くす人々。アメリカが17日に、親イラン武装組織「フーシ派」を「特別指定国際テロリスト」に再指定したことに対する怒りのデモだ。
「フーシ派」支持者
「アメリカがガザの兄弟たちにしていることこそ、テロそのものではないか」
アメリカ中央軍は、「フーシ派」の拠点に対する攻撃を継続。一方、「フーシ派」も紅海で船舶を攻撃している。
中東情勢が緊迫する中、21日「フーシ派」の幹部がANNの取材に答えた。
「フーシ派」政治局幹部 アルブハイティ氏
「日本のようにガザの人々を支持していない国々は、神の罰を受けることになるだろう」
「フーシ派」は去年11月、日本郵船が運航する貨物船「ギャラクシー・リーダー」を拿捕(だほ)している。こうした攻撃は、ガザの人々を支援するためだと改めて強調した。
アルブハイティ氏
「我々は、この船を運航する日本の企業が被害を被っていることを認識しているが、自己本位になるなと言いたい。パレスチナの人々に起きている大量虐殺を考えるべきだ」
船舶を拿捕したことを断固非難するとした日本政府に対しても…。
アルブハイティ氏
「日本政府は自国の利益だけでなく、人道的見地を持たなければならない」
「フーシ派」の幹部は、再び日本の船を攻撃することもあると警告した。
アルブハイティ氏
「もしガザの状況が変わらなければ、我々の軍事作戦は地球最後の日まで続けられるだろう」
■船舶解放は「パレスチナとイスラエルの今後にかかっている」
フーシ派により拿捕された船舶は、今も解放されずにいる。
去年11月、日本郵船が運航する自動車運搬船「ギャラクシー・リーダー」が紅海南部を航行中にイエメンの反政府武装組織「フーシ派」によって拿捕された。
これに対して、国連安保理は今月10日、フーシ派に対して紅海における船舶攻撃の即時停止と、ギャラクシー・リーダーと乗組員の解放を求める決議を採択している。
しかし、フーシ派幹部は21日、ANNの取材に対し「ギャラクシー・リーダーが解放されるかどうか、その命運はパレスチナとイスラエルの今後にかかっている」と答え、ギャラクシー・リーダーは今も解放されていない。
25人の乗組員に日本人はいなかったが、別の幹部はこの乗組員について、近く解放されるだろうとの見通しを示している。
そんなギャラクシー・リーダーでは今、さらなる異変が起きているという。
■“甘いマスクの海賊”再生回数が200万回に
16日に、イエメンの親イラン武装組織「フーシ派」が公開した映像。「フーシ派」の支持者たちが輪になって踊り、新兵たちが行進している様子が映されている。
実はこの場所、去年11月に「フーシ派」によって拿捕された日本郵船が運航する貨物船「ギャラクシー・リーダー」の甲板だ。
ロイター通信によると、この船が、イエメン西部の港の観光名所になっているという。
こうした中、船で動画を撮影し、投稿している1人の青年が、ソーシャルメディアを席巻している。
ラシェド・アル・ハダッド氏(19)
「TikTokのアカウントを作って、メッセージを届けようとしました。そうしたら再生回数が200万回に達しました。外国人が多かったです」
ラシェド・アル・ハダッド氏は、自身を“海賊”と称し、自撮り映像と共に船の様子を伝えている。
ハダッド氏
「私がハリウッド俳優の誰かに似ているという人もいましたが、全く関心はありません。このチャンスを利用してパレスチナに関する私のメッセージを西側に届けたいのです」
海外メディアは、ハダッド氏を「“甘いマスク”の“海賊”」などと紹介。イスラエルとハマスの戦争で、イエメンが果たしている役割を世界に発信しようとしている、と報じている。
しかし、彼のTikTokアカウントは運営側から削除されてしまった。
ハダッド氏
「削除されても第2、第3、第4のアカウントを作ります。我々は勝利するまでパレスチナを支持します」
■若者と相性の良いSNS使い…「フーシ派」支持を取り付けたい考え
なぜ「フーシ派」は、ギャラクシー・リーダーを公開しているのか?
中東メディアによると、ギャラクシー・リーダーを訪れるツアーでは甲板の見学に加え、記念撮影もでき「フーシ派」のメディア担当者は「船は観光地と化している」と話しているという。
VTRに出てきた自称“海賊”のティックトッカーも、こうした“観光”で訪れた可能性も指摘されている。
「フーシ派」が“観光地化”を進める背景について、中東情勢に詳しい、現代イスラム研究センター理事長・宮田律さんは「西側の若者の中にはイスラエルの攻撃はやりすぎとする声が強い。若者と相性の良いSNSを使った発信を促し『フーシ派』への支持を取り付けたい考え」とみている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2024年1月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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