“安堵の涙”石川・輪島市の一部で水道3週間ぶり復旧 手を合わせ…何度も感謝【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月23日)

“安堵の涙”石川・輪島市の一部で水道3週間ぶり復旧 手を合わせ…何度も感謝【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月23日)

“安堵の涙”石川・輪島市の一部で水道3週間ぶり復旧 手を合わせ…何度も感謝【羽鳥慎一モーニングショー】(2024年1月23日)

 今シーズン最強の寒波が能登半島地震の被災地に流れ込んでいます。地震から3週間たった22日、石川県輪島市の一部で水道が復旧しました。

■安堵の涙も…東京都水道局の作業で一部復旧

下和雄さん(88)
「出てきた、あー、うれしい」

 3週間ぶりに自宅の蛇口から流れる水。

和雄さん
「本当にうれしいことや、皆さん寒いときに直してもらって本当に助かります、本当に」

妻・孝子さん(81)
「あー、うれしい。ありがとう。本当に助かりました」

 何度も感謝を繰り返し、安堵(あんど)の涙があふれます。

和雄さん
「食べるものでも、ここで作りたい」

孝子さん
「お風呂に入ったりね」

 洗面所では、お湯も出るようになりました。

和雄さん
「ありがとうございました。おかげさまで」

孝子さん
「本当にありがとう」

 22日、被災地の支援に入っている東京都水道局による作業で、輪島市内の3軒の住宅に水が流れるようになりました。

東京都水道局 川上凌平さん
「基幹となるところから順番に整備をして、そこから最短でお客様のところに届けられるような管の整備っていうのを復旧の方に努めていきたいと思います」

■様々な決断…被災地の復興への歩みが進む

 ほぼ全域で断水が続いている輪島市では、仮復旧は2月末から3月末の見込みで、23日時点でも懸命な作業が続いています。地震の爪痕が残るなか、被災地では一歩ずつですが、復興への歩みも進んでいます。

 22日、金沢と能登方面をつなぐJR七尾線の一部区間が運行を再開。七尾駅にはこれまで学校に通えなかった生徒の姿も見られました。

高校生
「(学校の)状況が分からないので、不安でした。家だと集中できなかったり、やっぱり学校で授業を受けたいなと思っていました」

 能登町では校舎に子どもたちの声が響いていました。ただ中学生の集団避難もあり、松波中学校では全校生徒41人のうち、登校したのは25人。様々な決断のなかでの学校再開となりました。お昼には、生徒たちが待ちわびた給食も。配られたのは災害用のパンでした。

中学1年生
「パン、うまい。いつもお昼はカップ麺とかばっかりです」
「(Q.今、一番どんなものが食べたい?)寿司が食べたいです」

■地割れや亀裂も…ブリ漁で活気づく漁港

 漁業にも大きな爪痕を残した能登半島地震。こうしたなか、今、石川県で最盛期を迎えているのは、極寒の日本海で育ち、丸々と太った寒ブリ。宇出津港は日本有数のブリの水揚げを誇り、今年は豊漁だといいます。

漁師
「何しとるか分かる?」
「(Q.分かんないです。何してるんですか?)口閉じとる」
「(Q.口を閉じてるんですか)口開いとると、値段引かれる」

 見栄えをよくするため、ブリの口をぎゅっと抑えます。

 寒ブリのシーズン真っ最中とあって、活気付く宇出津漁港ですが、側溝のすぐ横には大きな隙間が生まれ、ぱっくりと大きく亀裂の入った壁がありました。至る所で地割れや隆起が起きたため、運ばれるブリは激しく上下に揺れています。

■コスト増も…休むことなく行われる寒ブリ漁

 震災前まで競りが行われていた場所にはずらりと魚が並び、活気があふれていました。

 さらに、当時の写真と比べると、港から競り場までは段差がないことが分かります。港からフォークリフトで魚を運べるよう、真っ平らの場所だったのです。しかし震災後、地面が30センチから50センチ沈んでしまい、港から競り場の間に段差ができてしまったといいます。

 競りができない事情は、それだけではありません。水揚げした魚の鮮度を保つために必要な氷水が、地震による断水や製氷機の破損で作ることができないのです。

石川県漁業協同組合 能都支所 空林政男支所参事
「ブリもシーズンで一番良い時ですので、そこをなんとかしたいと無理やり稼働してるんですけど」

 金沢からトラックで氷を運び、水揚げしたブリをすべて金沢に出荷することにしました。しかし、たとえ豊漁であっても、現在は輸送するトラックに載せられる量しか水揚げできません。輸送やコストの負担が大きくなるなかでも、寒ブリ漁は休まずに行われています。

空林参事
「数量の制限もかけて、揚げてるんですよ。それがなければ、2倍でも3倍でも取れる時期なので」
「まだまだなんですけど、一応復興に向けての第一歩という考え方と、(寒ブリは)冬が最盛期で、ここでの漁業・水揚げが一番大きい時期ですので、なんとかしたいということで」

■日常を取り戻すため…仮設住宅建設が課題 

 22日、金沢市の卸売市場では早朝から魚の競りが行われ、能登産のブリも並べられていました。震災から3週間たった今も、普段通りの競りとはいきません。

競りに来た人
「(Q.地震の前と比べて、どれくらい減ってる?)体感なんですけど、半分から3分の1(になった)という感じ」

 市場の冬の風物詩でもある、能登産のブリが床一面に広がる光景。震災以降、この様子を見ることができなくなりました。

競りに来た人
「今のメインだったら、金沢港の船が甘エビをとってくるので、本来は金沢港でとれば、ずらーっと並ぶし、輪島の甘エビも入ってくるし、本当に多い時だったら、ここ一面」

 他にも“石川の冬の味覚の代表”ズワイガニやタラの地場産は22日も市場に入荷されることはなく、並んでいるのは県外産のものばかりです。「入荷予定」と書かれた黒板にも、石川県の文字はありません。

競りに来た人
「能登の方から魚いっぱいたくさんきていただかないと、寂しいというか、気持ち的にも下がってしまう」

 普段であれば、能登産など石川県産の海産物は別で競りを行うのですが、それも行うことができない状態だといいます。

金沢市中央卸売市場 土村誠二次長
「地域経済を回していくということが復旧と復興への道筋となりますので、しっかりとこの市場から物を出していくということが大切だと思います」

 金沢市民の台所「近江町市場」の店に並ぶ魚のほとんどは県外産だといいます。この時期は甘エビやタラも石川県産のものが並びますが、22日は甘エビは秋田産、タラは岩手産でした。

大口水産株式会社 荒木優代表取締役専務
「僕もここに45年間いますけど、全く1回も経験がないので異常も異常。こんなの経験ない」

 日常を取り戻すため、尽力する人たち。インフラの復旧が徐々に進んでいくなか、課題になっているのが仮設住宅の建設です。

石川県 馳浩知事
「春・新年度になるまでに、できる限りの仮設住宅・みなし仮設住宅の準備を加速させたいと思っています。1日でも早く元居た場所に戻れるようにという方針でやりたいと思います」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2024年1月23日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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