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“2次避難”進まない理由は?専門家「先を見通す情報足りず」災害関連死が増える恐れも【スーパーJチャンネル】(2024年1月16日)
被災地では、一時的に地元を離れる決断をされた人もいます。一方で2次避難を巡っては、こうした問題もあります。
石川県によりますと、ホテルや旅館など県内外の「2次避難先」を3万20人分用意しているものの、実際に避難した人は15日時点で1083人にとどまっているといいます。
態勢が整っているように見えますが、なかなか2次避難ができていないのが現状です。なぜ進まないのでしょうか?
■なぜ進まない?「先を見通す情報が足りない」
2次避難が進まない問題について、地震後、現地に入り自治体の職員とやりとりをしてきたという大阪公立大学の菅野拓准教授に話を聞きました。
菅野さんは、2次避難が進まない理由に「先を見通すための情報が足りない」ことを挙げています。
では、どんな情報が足りていないのでしょうか。
例えば、「水道などのインフラの復旧はいつ?」「仮設住宅はどうなる?」「いつ、どのようにして地元に戻ってこられるのか?」など、被災された人々が「一時的に地元を離れる決断」をする材料が不足しているといいます。
■避難所で暮らす人たちの本音は?
七尾市で取材を続ける山木翔遥アナウンサーに聞きました。
実際に被災された人々にはこうした情報は届いていないのでしょうか?
山木アナ:避難所で話を聞くと、みなさん口をそろえて「まだ先々のことは分からない」と話します。
七尾市では水の復旧が課題となっていますが、市のホームページを見てもほとんどの地域で復旧のめどが立っていない状況です。
「2次避難ができない」あるいは「したくない」という人に話を聞くと、「ここが地元で一度も出たことがないので、外での生活が想像できない」「持病を持ちで30年以上この町にある病院や接骨院に通っている」さらには「市内で妻が働いているので、なかなか難しい」などと話していました。
こちらの避難所も高齢者が多いです。さらに気持ちの整理がついていない人もたくさんいます。ですから、現時点では金沢市内あるいは県外などでの2次避難は想像が難しいと思われます。
■「災害関連死」が増える恐れも
菅野さんは、こうした「2次避難が進まない状況が続くと災害関連死が増える恐れがある」とも指摘します。
過去の事例ですが、「避難中の車内で疲労による心疾患で亡くなった」「慣れない避難所生活から肺炎状態となり入院先の病院で亡くなった」「地震による栄養障害および持病の悪化などで亡くなった」などのケースが「災害関連死」として認定されています。
石川県は16日午後2時時点で14人が能登半島地震での災害関連死の疑いがあると発表しています。
■「先を見通す情報」まとめて発信することが重要
災害関連死がさらに増える恐れがあるのか、菅野さんに聞きました。
単純比較はできないが、例えば2016年の熊本地震の場合、273人の死者のうち災害関連死がおよそ8割の218人でした。
4月に起きた熊本地震に対し、今回の地震は冬の1月です。能登半島は地理的にも冷え込むということを考えると、2次避難が進まないことで「熊本地震以上の災害関連死が出る恐れもある」と菅野さんは指摘しています。
だからこそ、菅野さんは「2次避難を急ぐ必要がある」としていて、「先を見通すための情報」を国や県、市町村が“バラバラ”にではなく“まとめて”かつ分かりやすい用語など使って発信していくことが重要だと話します。
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年1月16日放送)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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