【能登地震】輪島“孤立地区”に自衛隊支援&能登名産「海の幸」に影【スーパーJチャンネル】(2024年1月12日)

【能登地震】輪島“孤立地区”に自衛隊支援&能登名産「海の幸」に影【スーパーJチャンネル】(2024年1月12日)

【能登地震】輪島“孤立地区”に自衛隊支援&能登名産「海の幸」に影【スーパーJチャンネル】(2024年1月12日)

 いまだ被害の全容が見えない能登地震で、電気や水道が使えない石川県輪島市の「孤立地区」に自衛隊の支援が入りました。

■被災地に「ひょう」夜には降雪も

 取材中に突然、あられのような、ひょうのようなものが降ってきました。被災地の周辺は不安定な空。12日夜には雪が降る恐れもあります。

■雨のなか 輪島捜索4日目

 200棟の住宅が焼け落ちた輪島市の「朝市通り」。朝から冷たい雨が降りました。

 能登半島地震の死者は215人、28人の安否が分かっていません。ここで15年、海産物を売っていた男性。連絡が付かない仲間を心配して毎日、足を運んでいるといいます。

朝市組合長 冨永長毅さん(56)
「あの建物です。テントを組んで露店をしていました。すべて燃えてしまった。(仲間は)避難して元気でいてくれたらいいな」

■輪島“孤立地区”に自衛隊支援

 自衛隊のヘリが飛び立ちました。向かったのは輪島市の鵠巣地区。461人が孤立しています。市の中心部へ向かう道路が寸断されたため、支援は行き届いていません。

避難している地元住民
「ライフラインは全然駄目。携帯もやっと入るようになっただけ」

 電気も水道もガスも使えないといいます。

 避難所で動きがありました。隊員が連れ出したのは介護が必要な98歳の女性。ライフラインが整わない孤立集落での生活は限界でした。隊員は女性をヘリに乗せ、市内の別の場所へ避難させました。

98歳女性
「ありがとう。整いました。十分です」

■能登名産「海の幸」に影

 地震は海の幸にも影を落としています。水揚げしたばかりの牡蠣(かき)を運んでいるのは石川県七尾市の養殖業者。その行先は船。再び海に戻すというのです。その訳は…。

■ブランド牡蠣 阻む“損壊と断水”

 去年、隣の石川県穴水町で行われた牡蠣祭り。プランクトンが豊富な能登の海で育った濃厚なブランド牡蠣を味わえるため、毎年この時期、能登一帯は観光客でにぎわいます。しかし…。

山田水産 山田慎吾さん
「こういうふうに海側にバタンと(護岸が)倒れてしまって。そこから海水をくみ上げていたが、吸水口も壊れて」

 牡蠣を洗うための海水をくみ上げる機械などが被害を受け、出荷できなくなったといいます。

山田水産 山田慎吾さん
「(Q.通常の作業は?)本当は(牡蠣を)むいたりして加工するはずだったものが今、出荷できないので、いったん、このネットに入れて海に戻す。なるべく早く復旧して、断水とかも終わって、早くこの良いシーズンの『能登かき』を食べていただきたい」

■寒ブリ 半分が損傷も再建へ一歩

 七尾市内の「えのめ漁港」も甚大な被害を受けました。近海で取れるのは寒ブリです。この能登の名産は最高級の物になると1本200万円の値が付きます。

 地震で海底が隆起するなど漁への影響が懸念されるなか、ブリを水揚げする港の一つが復興への一歩を踏み出しました。重さ5キロを超える大きなブリも…。

能登島観光協会 谷口和義会長
「やっぱり、こうやって作業できることがうれしい。魚が海にいるか心配していたので」

 しかし、同時に試練も立ちはだかっています。

能登島観光協会 谷口和義会長
「こういう感じで、擦れたものがある。市場に出しても値段は付かない」

 傷付いたブリが次々と水揚げされたのです。その数は水揚げした魚の半分ほどを占めるといいます。

能登島観光協会 谷口和義会長
「本当はきれいなブリ。狭いところにたくさん入ったから、泳ぎ切れない」

 原因は漁が滞っていたこと。本来、年明け4日に定置網を引き上げるはずでしたが、地震の影響で漁ができず、網の中に魚が増えたことで密集。魚同士や網で擦れてしまったといいます。

能登島観光協会 谷口和義会長
「能登島に来たら高級な魚を食べられるという認知度は上がってきたが、この地震の影響でそれがね。地道に積み上げていくしかない。やっぱり皆さんに(漁再開を)知ってもらいたい。負けてられない」

 傷付いたブリの一部は金沢市の市場が受け入れることを決めました。助け合いながら復興を進めています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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