「何かあったらここで死ぬ」日本政府は避難民受け入れ方針も・・・在日ウクライナ人女性の葛藤
日本政府はウクライナからの避難民を受け入れる方針ですが、反戦デモに参加した在日ウクライナ人の女性たちは、母国にいる家族が国外に脱出することの困難さを訴えています。
デモに参加した在日ウクライナ人女性(39)
「妹は夫と逃げて連絡が取れない。インターネットが繋がらなくて。まだ街を出られなくてどうなるかわからないけど、一番メインで考えています。家族をここに呼びたいんです。お父さんとお母さんと妹がいるけど、彼女は『旦那さんを残せないから(日本には)行かない』って」
女性の家族が住んでいるのは、ロシアからの攻撃を受けたウクライナ南東部のザポロジエ原発のすぐ近く。家族を日本に呼び寄せたいと願っていますが、母国からの脱出には困難が伴います。
デモに参加した在日ウクライナ人女性(39)
「街から家族が逃げたくても逃げられない。1日に電車が2、3本で。外で10時間寒いところで待って(電車に)乗れなかった。家に戻って、泣きながらどうすればいいかわからないんです」
この女性の母親は70代で足が不自由なため、ロシア軍の攻撃から避難することすらできません。
母が現地に残っている在日ウクライナ人女性
「お母さんとお兄さん2人と親戚、友達もたくさん住んでいます。シェルターはあります。でも、お母さんはマンションの9階に住んでいて、エレベーターは止まっている。お母さんは足が痛くて何階も下に降りるのは大変で、シェルターに逃げないで家にいます。一番大事なことは毎日お母さんの声を聞くことです。お母さんは日本に2回くらい来たので、日本語を忘れないようにノートに色々な挨拶とか簡単な言葉を書いて知り合いの友達に教えている。お母さんに早く日本に来てくださいって(伝えた)。でもポーランドまで行かなくてはいけないので、とても大変で危ない。お母さんは70代で1人では(移動)できない。お母さんは『大丈夫。ウクライナの自分の家でもし何かあったらここで死ぬしかない』って。命は大事なので、たくさん(日本政府に)ウクライナ人の命を助けてほしい」
岸田首相は今月2日、避難民を受け入れる方針を表明しましたが、在日ウクライナ人の女性たちは母国にいる家族を救出することができない現実に葛藤しています。
(06日12:03)
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