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「命より大切な仕事ない」若手医師“過労死”遺族の思い 課題となる“自己研さん”【報道ステーション】(2023年12月15日)
2022年5月17日、自ら命を絶った医師の高島晨伍さん(当時26)。神戸市の基幹病院『甲南医療センター』で、2020年から働き始め、去年4月、消化器内科の専攻医となりました。徐々に異変は起きていました。
母親の高島淳子さん(60)は、こう話します。
晨伍さんの母・高島淳子さん:「私が『働きすぎはよくないよ』と言いましたが、息子は『そんなことはわかっている』『休みたいけど、休めないんや」『もうあした起きたら、すべてがなくなっていたらいいのに』と言っていました」
しばらくして、淳子さんに一通のメールが届きます。
高島晨伍さんからのメール(去年5月17日):「先に謝っとくが、今朝、変な気を起こしかけたけど、もう起こさんようにするから安心して」
しかし、その後、メールの返信がなくなり、自宅へ駆けつけた淳子さんが目にしたのは、息子の変わり果てた姿でした。
晨伍さんの母・高島淳子さん:「まだ体も顔も温かく、心臓マッサージをしましたが、息子が戻ってくることはありませんでした。息子の遺書には『お母さんに辛い思いをさせるのが苦しいです。もっといい選択肢があると思うけど、選ぶことができなかった』と書いてありました」
労働基準監督署が認定した直前1カ月の残業は、207時間以上。晨伍さんが100日連続で働いていたことも明らかになり、今年6月、労災に認定されました。
晨伍さんは、診療に加えて、学会の資料作りなどにも追われていました。その多くは、勤務時間に含まれない“自己研さん”と扱われることが多いとされ、「医師の働き方改革」を前に、どこまでを勤務とするかが課題となっています。
自らも医師である、晨伍さんの兄は、こう話します。
高島晨伍さんの兄:「私も弟が亡くなるまでは、医者としてスキルを上げなければならない。患者に向き合う。そのことで頭がいっぱいで、どれくらい自分が働いているか、そんなことは後回しになっていた」
実際、病院が把握していた4月の残業時間は30.5時間。タイムカードの打刻とは、かい離しています。
甲南医療センター・具英成院長(8月):「病院として過重な労働を負荷していたという認識は持ってございません。医師は『学会報告』『研究活動』『教育活動』そういったもろもろのことで育っていく職業なんです」
こう述べていた病院側。勤務時間の管理を強化するなど、改善に取り組んできましたが、過重労働を強いていないとの認識は「今も変わらない」といいます。
遺族は、本来、業務と言えるものが「自己研さん」と解釈されないよう、明確な基準を作って欲しいと訴えます。
晨伍さんの母・高島淳子さん:「命より大切な仕事はありません。過酷な労働環境の問題が、彼の死をきっかけに少しでも改善されるようにと私たちは努力します」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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