【ガザ指導者の自宅包囲】越境攻撃を“首謀”急襲で民間犠牲の懸念は◆日曜スクープ◆(2023年12月10日)
イスラエル軍は、パレスチナの住民が退避するガザ地区南部地域で、イスラム組織「ハマス」への攻勢を強めている。ガザ保健当局によると、戦闘が再開された12月1日から10日までに、ガザ地区の住民2686人が死亡した。イスラエル軍は7日、投降した多数のハマス戦闘員を拘束したことを明らかにした。武装したイスラエル兵の前で、裸の戦闘員が並んで座り、拘束されている様子を捉えた画像が現地紙で報じられた。イスラエル軍はガザ地区南部ハンユニスにあるハマスのガザ地区指導者であるヤヒヤ・シンワル氏の自宅を包囲した。イスラエルのネタニヤフ首相は6日、10月7日に発生した奇襲攻撃の首謀者と見られるシンワル氏の自宅を包囲したことに言及し、「見つけるのは時間の問題だ」と述べた。イスラエル軍が標的とするシンワル氏は、ハンユニスのパレスチナ難民キャンプで生まれ育ち、ハマス創設の1987年頃に組織に参画したとされている。
バイデン米大統領は7日、ガザ地区南部への攻撃を実施するイスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談し、民間人の保護の重要性を改めて訴えた。会談でバイデン大統領は、「残りの人質救出に向けてあらゆる機会を追求するために、引き続き深く関与する」と述べた。さらに、バイデン大統領は、「民間人をハマスと切り離すことが極めて重要である」と念押しした。イスラエル軍のコンリクス報道官は4日、米CNNの取材に対し、「ハマスの戦闘員1人に対して、ガザで死亡した民間人が2人という割合は、市街戦の困難さを考慮すれば、非常に前向きだ」と述べた。国連のデュジャリック報道官が嫌悪感を示したことから、イスラエル軍のコンリクス報道官は「言葉を選ぶべきだった」と釈明した。
イスラム組織ハマスが拘束する人質の家族は5日、ネタニヤフ首相と面会した。ネタニヤフ首相は、「全員の釈放を今すぐ確保することは、現時点では不可能だ」と述べ、家族の反発を招いた。イスラエル軍は8日、ガザ地区で拘束されている人質の救出作戦を実施したことを発表した。イスラエル軍は、「複数のテロリストを殺害したものの、人質を救出することはできなかった」と説明し、作戦が失敗に終わったことが判明した。ハマス側は銃撃戦の結果、イスラエル軍兵士とみられる人質男性が死亡したことを明らかにした。
★ゲスト:小谷哲男(明海大学教授)、鈴木啓之(東大中東地域研究センター)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
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