侵攻1週間 焦点は2回目の停戦交渉 その間も攻撃激化(2022年3月3日)

侵攻1週間 焦点は2回目の停戦交渉 その間も攻撃激化(2022年3月3日)

侵攻1週間 焦点は2回目の停戦交渉 その間も攻撃激化(2022年3月3日)

 ロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始してから3日で1週間が経ちました。停戦に向けた2回目の交渉がまもなく行われる見通しですが、首都キエフを始めとした主要都市への攻撃は激しさを増しています。

 2回目となるロシアとウクライナの停戦交渉。先に交渉場所に到着したのは、ロシア側でした。

 ロシア、メディンスキー大統領補佐官:「(1回目の交渉で)我々は共通点を見いだした。しかし幾つかの基本的な点については、ウクライナ側は話し合う時間を取りました」

 ロシアの代表団は、1回目の停戦交渉では「最も基本的な部分」に隔たりがあったと明かしました。

 ロイターによりますと、1回目の交渉では、ウクライナはウクライナ全土からのロシア軍の撤退を求め、ロシアはウクライナの非武装化と中立化などを求めたといいます。

 前回の交渉で互いの要求を示し、それを持ち帰って協議した両国は、今回の交渉でどれだけ歩み寄りをみせられるのでしょうか・・・。

 停戦交渉が続いている一方、主要都市への攻撃は激しさを増しています。

 2日、キエフ郊外。人々が破壊された橋を渡って移動しています。

 多くのウクライナの市民は、停戦交渉がうまくいかない場合に備えて家を離れ、より安全な地域へと逃げているといいます。

 キエフの小児病院では、母親と赤ん坊が即席のベッドで寝ていました。

 空爆に備え、患者や家族が地下に避難しているのです。

 医師:「ここにいるのは、私たちの医療サービスが必要な患者たちです」

 酸素吸入が必要な乳児など、数十人の子どもとその親がマットの上に横たわり、なかには点滴につながれている子もいます。

 ミサイルによる攻撃を受けたテレビ塔。

 CNNの記者が、その場所を取材しました。

 CNN記者:「この建物を見てください。完全に破壊されています。1階にはジムがありました。まだ火が見えていて大量の煙が充満しています。我々は、ロシアが民間人を攻撃しないと何度も聞きましたが、明確に彼らは市民のインフラを攻撃していて、ウクライナ人を殺害しています」

 CNN:「(ウクライナ北東部の)コノトプでロシア軍兵士が、手りゅう弾を手に市民の間を歩き、市の降伏を要求しています」

 ロシア兵の手には、手りゅう弾が・・・。

 それでもウクライナの市民は、徹底抗戦をみせています。

 こちらは、ごみ収集車でバリケードを作るなど、多くの市民が原発へと続く道路を封鎖しました。

 こうした市民の行動について、ゼレンスキー大統領が3日、新たな動画を公開し、「勇敢だ」と話し、市民を鼓舞しました。

 ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「とても危険だが、勇敢な行為で救いとなっている。敵の士気は常に下がっている。彼らは、どんどんロシアに戻っている」

 一方、国連総会は緊急特別会合で、ウクライナからのロシア軍の即時撤退などを求める非難決議案を賛成多数で採択しました。

 こうした国際社会からの圧力は、ロシアの行動にブレーキを掛けることができるのでしょうか・・・。

 東京大学大学院・渡邉英徳教授:「攻撃機が配備されていることが分かる」

 そんななか、ロシア軍の動きが意外な方法で明らかになりました。

 CNN:「国防総省はロシアの戦略が変わっているのではないかとみています。衝撃を与えて畏怖を与えるという作戦ではなく、ゆっくり相手を抹殺していくという戦略に変えていく可能性があります」

 ロシア軍は戦略を変えたのでしょうか・・・。

 ウクライナ国防省はロシア軍が残した“機密戦闘計画書”を押収したとフェイスブックで発表しました。

 文書によると、ロシアの軍事作戦は2月20日から3月6日までの15日間を想定していたといいます。

 そんなロシア軍の動きについて、衛星写真をデジタル地球儀に落とし込むことで、侵攻の実態を知ることができるといいます。

 東京大学大学院・渡邉英徳教授:「橋が破壊されている写真。この写真だけを見ると、戦争だから破壊されるだろうという印象で終わってしまうかもしれない。でも遠ざかってみると、キエフにすごく近くて、キエフに直行する、これから侵入するロシア軍を防ぐために、ウクライナ軍があえて壊したと推測できる」

 1枚1枚の衛星写真を貼り合わせることで、周辺の環境も考慮して分析できるというのです。

 ロシア軍の車列を捉えた3枚の画像、つなぎ合わせると、間の画像はありませんが、車列が続いていたと推察できます。

 東京大学大学院・渡邉英徳教授:「少なくとも、ここからここまで(距離が)3600メートルと出ていますが、衛星画像が貼られている範囲だけでも、3.6キロにわたってロシア軍の車両が続いていたことが分かる」

 渡邉教授は、やはりロシア軍はウクライナ軍に比べて物量が圧倒的に多いと想像できると話しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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