【現場から、】「落書き」心に大きな傷…専門家 “放置は危険” 犯罪の呼び水になるおそれも|TBS NEWS DIG
シリーズ「現場から、」。各地で相次ぐ公共物への落書きの被害。軽く捉えがちな傾向がありますが、落書きは被害者の心に傷を残すだけでなく、さらなる犯罪の呼び水になるおそれも指摘されています。
3年に1度の藤枝大祭り。先月、伝統の祭りに水を差す残念な出来事がありました。
記者 先月11日
「藤枝市藤枝にある山車の倉庫です。まつりだバカやろーと、かなり大きな字で落書きがされています」
スプレーのようなものによる落書き。祭り初日の朝、屋台などを保管する小屋に書かれているのを住民が見つけました。
小坂地区 一言藤夫 町内会長
「みんな非常に腹立たしい思いでした。(子どもから年配の人まで)楽しみにしている祭り。出ばなをくじかれた」
静岡県内では今年、落書きの被害が相次いでいます。静岡市では、国の登録有形文化財、安倍川橋で複数の落書きが見つかりました。
多くの人が集まる公園も標的になっています。
吉田町 建設課 坂本喬さん
「住民に気持ちよく公園を利用してもらうため、早く修繕したいと考えています。被害が多いため、数十万円程度の修繕費用がかかる予定」
落書きは建造物だけでなく、人の心にも大きな傷痕を残します。
はら喜鮨 原木広陽さん
「こちらがおととしやられた落書きです。卑わいな言葉が柱や扉、壁に大きく書かれ、お客さんに見せられない状況」
藤枝市の「はら喜鮨」はこれまでに4回、落書きの被害を受けました。警察に被害届を出しましたが犯人は見つからず、店主の原木さんは病院で不眠症と診断されました。
落書きの被害を受けた 原木広陽さん
「朝来るたびに、壁に落書きがされていないか不安しかない。本当にビクビクして生活している。まったく身に覚えのないことをされると、自分たちがここで店をやっていいのかと思う」
落書きは比較的軽い犯罪と見られる傾向にありますが、放置することは危険だと専門家は警鐘を鳴らします。
犯罪学を専門とする静岡県立大学 津富宏 教授
「割れた窓が放置されていると、この地域は『犯罪が起きても誰も気にしない』というサインに。僕もやっていいのかなと、模倣・追随する人を誘う」
割れた窓を放置することで監視が緩い地域と誤解され、治安が悪化するという「割れ窓理論」。ニューヨークでは実際に落書きを消してみたところ、犯罪発生率が大幅に低下したという実績もあります。
犯罪学を専門とする静岡県立大学 津富宏 教授
「割れ窓理論に従えば、(落書きは)放っておかないことが大事。書かれたらまず消す」
治安悪化の入口にもなりえる落書き。被害側の精神面にも大きな被害をもたらすため、「軽いいたずら」ではなく、許しがたい犯罪だと認識する必要があります。
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