「リニアはっきりさせて」“静岡以外”4知事 総理に詰め寄り…有識者「JR東海は適切」【もっと知りたい!】(2023年11月8日)

「リニアはっきりさせて」“静岡以外”4知事 総理に詰め寄り…有識者「JR東海は適切」【もっと知りたい!】(2023年11月8日)

「リニアはっきりさせて」“静岡以外”4知事 総理に詰め寄り…有識者「JR東海は適切」【もっと知りたい!】(2023年11月8日)

 静岡県内でのリニアの工事を巡り、国の有識者会議はJR東海が検討する対策を「適切」と結論付けました。静岡県は反発しましたが、退けられました。

■“静岡以外”4知事 岸田総理に“詰め寄る”

 東京と大阪をおよそ1時間で結ぶリニア中央新幹線。ターミナルとなる品川駅周辺では、大規模な工事が進められています。

 リニア中央新幹線は、品川-名古屋間が2027年に先行して開業し、2037年には大阪へ延伸を目指していますが、その目標は絶望的となっています。

 最大の理由は、静岡県内の工事区間およそ9キロがいまだ着工できていないことです。

 こうした状況に業を煮やしたのが、途中駅が設置される神奈川・山梨・長野・岐阜の4つの県の知事です。6日に岸田文雄総理大臣と面会し、開業時期の見通しをはっきりさせるよう求めました。

 岐阜県 古田肇知事:「ある程度の方向性を言ってほしいというのは私どもの立場。少なくとも開通時期が明らかになってくると、それに合わせた作業も弾みはつくのではないか」

 岸田総理は、「魅力的な国家的プロジェクトなので我々も努力していきたい」と話したうえで、早期開業に向けてはこうコメントしました。

 岸田総理:「知事の皆様方におかれましても全体のプロジェクトが進むように、ぜひ関係自治体等にも働きかけをいただく、お力添えをいただければと思いますので、どうぞよろしくお願いします」

 しかし、静岡県はトンネル工事によって大井川の水の量が減ることや、南アルプスの生態系に悪影響があるとして、今も県内の区間の着工を認めていません。

■静岡・川勝知事「1合目から前に…」課題強調

 解決の糸口すら見えていない、静岡県とJR東海の対立。4年前にはこのようなやり取りもありました。

 JR東海 金子慎社長(当時):「この状態が続けば、開業の時期に影響を及ぼしかねない。国土交通省を中心に、計画が円滑に進むように、何らかの措置や指導をしてもらえるとありがたい」

 静岡県 川勝平太知事:「足を引っ張っているかのごとく言われるようなトップの発言があったが、とてもじゃないけどゴーサインを出せる状況ではない」

 両者の協議は幾度となく続けられてきましたが、先月の時点でも…。

 川勝知事:「(大井川の)流量の問題、これが解決されれば1合目から前に進んだということになりますから。1合目の次は何合目でしょうか?」「(Q.2合目です)そういう認識になるでしょうね」

 静岡県の川勝知事は、着工を認めるまでには課題が山積していることを強調しました。

■有識者「生態系への影響対策は適切」 静岡は反発

 こうした状況のなか、国は両者の仲裁に入る形で去年6月から有識者会議を設置。7日に環境保全について報告書の方向性をまとめました。

 トンネルを掘削する場所の周辺で、自然環境のモニタリングを継続することで、影響の最小化を目指すことなどが盛り込まれるということです。

 生態系への影響については、JR東海の分析や対策を「適切」と結論づけました。

 有識者会議 中村太士座長:「この方針をしっかりやっていくという責任が国にもJR東海にもある」

 静岡県は「水生生物の影響予測の議論が不十分」などとして、報告書のとりまとめは時期尚早、とする意見書を提出していましたが、その主張は受け入れられない形になりました。

 静岡県 森貴志副知事:「有識者会議がここで終了し、報告書をまとめて終わりとなるととても残念。(まだ)議論する余地があると県の方では思っている」

 これに対し、JR東海はこのように述べました。

 JR東海 宇野護副社長:「この話は会議が終わったということで、すべて解決するわけではない。コミュニケーションを取り、引き続き議論させてもらう」

(「グッド!モーニング」2023年11月8日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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