あの超有名文化財”激ムズ“輸送作戦 半世紀ぶり東京へ(2022年3月1日)

あの超有名文化財”激ムズ“輸送作戦 半世紀ぶり東京へ(2022年3月1日)

あの超有名文化財”激ムズ“輸送作戦 半世紀ぶり東京へ(2022年3月1日)

 傷つかないように細心の注意を払われて「あのお方」が東京へ運ばれてきました。

 実に半世紀ぶりに、国の重要文化財が東京にやってきました。

 皆さん、一度は目にしたことがある、あの像です。

 その正体は・・・そう。日本史の教科書でおなじみ、鎌倉時代に彫られた空也上人の像です。

 普段は、京都の六波羅蜜寺にあるこの貴重な像が、1日から東京国立博物館で公開されています。

 東京で見られるのは、1973年以来のことです。

 東京国立博物館・皿井舞さん:「近寄って細部の表現まで見て頂くことができる。手の甲に表された血管の浮き出した様子、着ている衣のゴワゴワとした質感表現、随所に見どころがある」

 重要文化財を、京都から東京まで運ぶのは困難を極めます。

 そこで美術品を扱うエキスパートチームが担当しました。

 最も気を使ったのが、口から出た6体の阿弥陀如来。実は・・・。

 東京国立博物館・皿井舞さん:「本当は取り外すことができるはずなんですけれども、接着されてしまっていて、取り外すことができない。つけたままで運ばなくてはいけなかったところが非常に困難」

 和紙でできた梱包材などを使って、揺れを抑える方法がとられました。

 さらに、もう一つ困難だったポイントが。

 東京国立博物館・皿井舞さん:「空也上人の像は、腰をかがめているので、この状態で寝かせるとあまり安定しない。今回は立ってお運びすることにした」

 通常、立ち姿の像は寝かせて運ぶのですが、今回は、特性の木枠で固定。立った状態のまま運搬しました。

 こうして、京都の六波羅蜜寺から、半世紀ぶりに東京へと送り出された空也上人の像。

 そこには、ある思いが込められていました。

 六波羅蜜寺・川崎純性山主:「現在、コロナ禍が起こっておりまして、ひとつ空也上人、1070年前と同じく、民衆をお救い頂けないかと」

 実は空也上人は平安時代、京の都で疫病が流行った際に、人々のために念仏を唱えて回ったといいます。

 コロナ禍での展示会の開催は、「時代の巡り合わせ」なのかもしれません。

 六波羅蜜寺・川崎純性山主:「どうぞ生きる力と、そして祈る力を、皆さん方それぞれのお立場で得て帰って頂きたい」

 特別展「空也上人と六波羅蜜寺」は5月8日まで開催しています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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