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【解説】感染”増加傾向” 第7波は? オミクロン株「BA.2」への置き換わりも…
日本でも新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念され始める中、オミクロン株の別系統である「BA.2」への置き換わりが進む国では、重症者や死者が増加しているというデータが示されました。詳しくお伝えします。
■感染“増加傾向”…要因は?
30日の全国の新たな感染者は5万3753人で、先週の水曜日(23日)より1万2000人以上増えています。
都道府県別でみてみますと、東京は9520人で2週間ぶりに9000人台になりました。鹿児島は776人で、3日連続で過去最多を更新しました。前の週よりも増えたところは40都道府県に上りました。
今、感染が増えている要因について、厚労省の専門家会議で主に以下の3つがあげられました。
1.まん延防止等重点措置の解除
2.年度末で接触する機会が増える
3.「BA.2」への置き換わり
オミクロン株の別系統である「BA.2」は、第6波で主流だった「BA.1」と比べて感染力が強いことが示されています。こうしたことが、感染者増加の要因として考えられるということです。
一方で、感染拡大を抑える要因も示されました。
1.ワクチンの3回目接種
2.第6波の感染で一定の割合が免疫をつけた
3.暖かくなり、屋外に出る機会が増えていることと、窓を開けたりして換気しやすい環境が増えている
こうした感染拡大を抑える要因もあるので、増加と抑制のバランスの中で、今後どうなるか見極める必要があります。
■「BA.2」への置き換わり…どれくらい進んでいるのか
感染者数が今後どうなるかは分かりませんが、専門家会議では「第6波を超えることも想定して備える必要がある」という議論が出ています。
専門家も注目している「BA.2」への置き換わりは、どの程度進んでいるのでしょうか。
国立感染症研究所の推計では、全国的にすでに6割が「BA.2」に置き換わっているとみられています。これがさらに、5月初頭には9割に達するというデータも示されました。
「BA.2」について、厚労省の専門家会議の脇田座長は次のように指摘しています。
厚労省の専門家会議 脇田隆字座長
「ヨーロッパにおいてBA.2系統への置き換わりが進んで、感染者数が増加するだけでなくて、重症者数・死亡者数が増加に転じている国もあります。例えば、イギリス等ですね」
「BA.2」への置き換わりが進むイギリスで、重症者や死者が増加しているということです。イギリスでは、今年に入った辺りから急速に「BA.2」への置き換わりが進んでいて、3月上旬には82.6%でしたが、3月20日には93.7%と9割を超えてきています。
イギリスの1日の感染者数は、1月上旬のピークからいったんは下がったものの、再び増加傾向となり、今月25日には7万1898人となりました。
入院患者数の増え方は、感染者数よりも顕著になっていることが分かります。年末のピークの時と比べて、ほぼ同じレベルまで入院患者数が増えています。
こうしてみると「BA.2」が重症化しやすいものという風にみえますが、実は「BA.2」は一般的な検査では検出しづらいという特性があります。実際の感染者数は、カウントされているよりももっと多い可能性があるということです。
そういったことなどから、イギリス保健省はこれまでのところ「BA.2」は「BA.1」と比べて、重症化率に大きな変化はないという見解を示しています。ただ、実際のところは、まだ実態がつかめていないのが現状です。
一方、気になる情報もあります。ロイター通信によると、ヨーロッパやアジアを中心に感染再拡大の傾向がみられる背景には、「BA.2」への置き換わりが進んだ時期と、多くの国で感染対策が大幅に緩和された時期がちょうど重なったことが考えられるということです。
従って、感染対策を続けることが大事です。その1つにワクチンがありますが、イギリス保健省によりますと、「BA.2」はワクチンの効果が従来株やアルファ株などに比べると低く、接種から時間が経つと効果はさらに下がることが分かっています。ただ、4回目の追加接種をすることで、重症化や死亡を防ぐ効果を再び高めることができるということです。
つまり、追加接種は「BA.2」にも効果的だというデータが示されています。
日本に先駆けて感染対策を大幅に緩和した欧米などでは、生活を元通りに戻す動きが加速しています。ただ、コロナは決して収束したわけではなく、常に感染再拡大のリスクと隣り合わせであることは変わりません。そのことを忘れずにウィズコロナの中でも密を避ける、会話の際はマスクなど、基本的な対策を続けましょう。
(2022年3月31日放送「news every.」より)
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