都庁に行列… 新型コロナワクチン「予約枠いっぱい」なぜ? 接種有料化も影響か【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
9月20日から始まった新型コロナワクチンの接種ですが、予約がいっぱいになっている自治体が数多くあるという事です。
■コロナワクチンが“予約できない”? 接種有料化も影響か
井上貴博キャスター:
ワクチンとコロナのリスクを天秤にかけながらかと思いますが、総数はあってもワクチンの供給が少し追いついていないようです。
新型コロナウイルスのワクチン予約が殺到しています。東京・三鷹市では予約が大変取りづらい状況です。なぜなのかというと、国から11月以降のワクチン供給の見通しが示されていないから。先々が見えないので、現段階だと予約が取りづらい状況としています。
他にも神奈川・海老名では、集団接種に関しては全ての予約が埋まっています。医療機関の予約が取りづらい状況です。新型コロナウイルスの感染者が増え、無料の接種が今回で最後になる。それが相まって希望者が増えたのではないかと担当者は分析しています。
総数について、武見敬三厚労大臣は「新たな変異株に対するワクチン3500万回分を確保しています」としています。
やはり需要と供給のギャップが起きているということが一つ。ワクチンの供給に詳しい国立病院機構、三重病院の谷口清州医師はもう一つ「供給には感染研での安全性の確認が必要なため時間がかかる。12月には改善する見込み」と話しました。
日比麻音子キャスター:
このバランスが取れていないことについて寺嶋先生のご意見をぜひ教えてください。
東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋毅 部長 :
大規模な接種会場が少し減っているので、その分クリニックに流れている。ただクリニックはインフルエンザのワクチン接種もあるので、なかなか手が回らない状況かと思います。
ただ私も高齢者の方や基礎疾患のある方によく相談されますが、やはり副反応が強くなければ接種した方がいいと推奨しているので、この冬、もし流行が来るとしたらその前にきちんと接種できればいいのかなと思います。
日比キャスター:
12月にはこの状況が改善する見込みということですが、「その前に打ちたい」という人も多いと思います。その点はいかがでしょうか?
寺嶋医師:
今回のXBBに対するワクチンは、今流行している株に対しても一定の効果があり、特に重症化予防も示されてます。やはりきちんと間に合うようにできればいいのかなと思います。
日比キャスター:
引き続き忘れないように、手を洗うとか消毒するなどを思い出したいですね。
井上キャスター:
ワクチンを打ってから効果が出るまで一般的にどのくらいなのか、そして効果はどのくらい続くのか。改めて確認したいです。
寺嶋医師:
効果が出るまでに大体2週間から4週間ぐらいで、その感染予防効果・発症予防効果というと、残念ながら短くなっていて、大体4週から8週ぐらいかなと思います。ただ重症化予防でいうと、半年ぐらいを期待してもいいのかなと思います。
■プール熱・はやり目・インフルエンザ…次々と感染症が流行 一体なぜ?
井上キャスター:
もう一つ、やはり皆さんの周りでも季節性インフルエンザが流行ってきているという実感があるかと思います。これによって学級閉鎖などが全国で起きています。
他にもプール熱・はやり目など連日ニュースでもお伝えしています。
▼プール熱(咽頭結膜熱)
症状…発熱・咽頭炎・結膜炎などの症状
東京 初の警報(1999年以来)
▼はやり目(流行性角結膜炎)
症状…発熱・目やにがたまる・目が充血・まぶたの腫れ
広島 5年ぶりの警報発令
国際医療福祉大学松本哲哉主任教授は「他に収まっていない感染症もあり、冬に向けては季節性インフルエンザに要注意」としながら、様々な感染症が今流行していることに関しては「コロナ禍で各感染症に対する免疫がなくなってしまっている。どの感染症も流行が起こりやすい状態」と話しています。
日比キャスター:
本当に2023年は子どもがかかりやすい感染症が、例年にないスピードで増えていますよね。
教育アドバイザー 清水章弘さん:
実際、私の娘の幼稚園も学級閉鎖になって、今は自宅にいます。そして私は塾を経営しているんですが、この1週間で「インフルエンザで休みます」と欠席連絡メールが50件ぐらい来ています。
この「季節性」という部分の状況が変わってきた感じがします。これは何か今後予測できないものなのでしょうか?
寺嶋医師:
確かにこの暖かい時期のインフルエンザ、2023年の立ち上がりは早いです。
ただシンガポールなど東南アジアでは、暑い時期にもインフルエンザの流行がありました。
ただし日本国内では初めてのことなので、やはりコロナが抑えられてた分、2023年のいろんな感染症の流行状況を見ると、これまでではちょっと予想できないというか、あるいはそのかかったり、晒されたりすることでできる免疫も、大事だと痛感しております。
ただ同じ「かかる」にしても、軽くて済むとか、あるいは周囲に広げないということを考えると、インフルエンザも含めてワクチンで予防できるものは予防するとか、早く受診して、診断してもらう。治療が受けられるものは治療を受けたり、周囲に広げない対策をきちんと取ることが大事なのかなと痛感しております。
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