2024年アメリカ大統領選への道 早くも始まった労組票の“争奪戦”(2023年10月6日)
先月26日、取材班はアメリカの自動車産業の拠点、ミシガン州デトロイトにあるフォードの工場を訪れました。工場のゲートの前には、労働組合の組合員が6時間交代でピケを張っていました。大手自動車メーカー3社で始まった一斉ストライキは、現在も収束の見通しは立っていません。訴えているのは大幅な賃上げと待遇の改善です。
フォード工場の労働者:「ビッグ3は巨額の利益を上げているのに何が公平だ!」「幹部は毎年、給料が上がっているのに、私の昇給は15年間で2回だけです。分け前がほしいんです」
バイデン大統領:「皆さん、粘り強く頑張って。あなたたちは大幅な賃上げや手当を得る資格があるのです。失ったものを取り戻そう」
労使交渉で中立の立場を取るべき現職の大統領がストライキの最前線を訪問し、労働組合への支持を表明することは極めて異例のことです。
そして、この翌日。
トランプ前大統領:「私はアメリカを再び、偉大にしたいと思う。労働者の味方であり、常に味方であり続ける」
労働組合の組合員らを前に、支持を訴えるトランプ氏。ミシガン州は大統領選の激戦州、「スイングステート」の一つ。自動車工場で働く労働者の一票が勝敗を左右することになります。
バイデン氏とトランプ氏との間で来年の大統領選に向け労働組合票の争奪戦が早くも展開されるなか、働く人たちははどう見ているのか。
フォードの工場でストライキに参加するポークリフカさん(36)に話を聞きました。新婚の妻と二人暮らしです。
フォードの工場で働くポークリフカさん:「労働者の家庭で育ち、フォードで働いて、フォードの車にずっと乗ってきた。これくらい会社に忠実なのだから、老後の資金を準備できるようにしてほしい」
ポークリフカさんにバイデン大統領を支持する気はありません。
フォードの工場で働くポークリフカさん:「バイデン大統領の政策は失敗とは思わないが、成功しているとは言えない。景気は良くないし、皆、生活するだけで苦労している。休みに家族をディズニーワールドに連れて行くこともいけない。そのために貯金しようにも、お金がいくらかかるか分かったもんじゃない」
一方でトランプ氏にも、投票したくはないと言います。
フォードの工場で働くポークリフカさん:「前の選挙で負けたリベンジがしたいって?そんなの要らないよ。私やこの国のために何をしてくれるのかを知りたいんだ。バイデンにもトランプにも投票しない。70から80歳で出馬したとして、30から45歳の層が共感できるわけがない。そんな高齢者に『私なら国を動かせる』と約束なんてできるわけないよ」
来年の大統領選でバイデン氏とトランプ氏が対決する可能性が高まるなか、世論調査では、国民のおよそ3分の2がどちらにも再出馬を望んでいないという実態があります。選挙まであと1年あまり。「労働者の街」の選択に注目が集まります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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