新潟コシヒカリ…猛暑で「一等米」激減…700万円減収 高齢農家は「もうやめる」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月18日)

新潟コシヒカリ…猛暑で「一等米」激減…700万円減収 高齢農家は「もうやめる」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月18日)

新潟コシヒカリ…猛暑で「一等米」激減…700万円減収 高齢農家は「もうやめる」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2023年10月18日)

 新米の季節を迎えた米どころ新潟では、異変が起きている。今年の記録的猛暑の影響で「一等米」が激減し、農家からは「やめるしかない」と悲痛な声も上がっている。

■去年は全部「一等米」今年は…

 記録的猛暑に見舞われた新潟県。収穫時期を迎えた米農家では…。

 宮内賢一さん:「(Q.(検査の)結果は聞きましたか?)結果まだ聞いてないよ。いや二等だろ?どうせ一等にならないんだから。なんとか二等で収まってもらいたいんだよね」

 新潟県十日町市で、50年間にわたってコシヒカリを作ってきた花水農産の宮内賢一さん。8日に依頼した、米の評価結果を聞きに行くその表情は浮かない…。

 宮内さん:「ありがとうございます。分かりました。心白粒ね」「(Q.どうですか?結果としては)全部二等ですよ。上等じゃないですか。二等になれば。三等にならなかったらありがたいです」

 コメの品質を評価する“等級”。形や色など見た目が検査され、最も高い評価を受ければ「一等米」となる。

 今年は、コメに透明感がなく、白く濁りしかも粒が小さいという。今回400袋を検査に出したが、結果はすべてが二等米。今年収穫した他のコシヒカリも、ほとんどが二等米以下だという。

 宮内さんがコメを納める業者の倉庫には…。

 宮内さん:「これ、ほとんどうちのコメですよ。1600袋入ってますよ。全部二等ですよ。全部二等!そこにあるのは、去年の(うちの)コメですよ」「(Q.このマークは?)一等ですよ。全部一等ですよ。去年は全部一等だったんですよ。全部一等米を作る努力をしている。だから本来なら、これも全部一等になるはずだったんですよ。もうどうしようもないです。どうしようもない…」

 例年、宮内さんが作るコシヒカリは、9割以上が一等米だった。新潟全体で見ても今年の一等米は2.6%ほどで、去年のおよそ80%を大きく下回る。

■等級が違うだけで…価格に大きな差

 宮内さん:「いま、この白いのをはじいているんだけど。例年はね、この白いのがないんですよ」「(Q.選別したコメは、何等米になるんですか?)これは、もう売り物にならない。例年の10倍とか20倍とかの量です」

 等級が付かず、販売さえできないコシヒカリが山積みになっている。

 宮内さん:「これですよこれ」「(Q.え?これ全部?)こっちのやつは全部(売れないコメ)」「(Q.こんなに積みあがるものなんですか?)普通の年はないですよ、こんなのは。せいぜいできたって3~5袋あるくらい。これも全部一等米になってるんですよ。本当だったら、これもあれもあれも」

 これらのコシヒカリはウシなどの餌(えさ)にするほか、使い道はないという。等級が違うだけで、価格にも大きな差があるという。

 宮内さん:「(一等米から二等米になると)1500円(60キロあたり)くらい差がでる。三等になると4000円から5000円は違うんですよ。今出荷したのが、だいたい4000俵くらい出荷しましたから、(収入が)500万~600万円違うんじゃないですかね。最終的には(減収が)700万円超えるかなと」

 異常事態の原因は、今年の猛暑。

 宮内さん:「とくにコシヒカリは暑さに弱いんですよ。コメの中に養分をため込むときに、暑すぎて稲の体そのものが弱ってしまったんですよ」

 通常、コメに養分がしっかり入っていくことで実が太り、透明度が増すのだが、今年の記録的な猛暑で稲が生育不良となり、コメは割れ、白く濁ったりするのだという。

■猛暑がまた続いたら…「倒産ですよ」

 別の農家でも…。

 専業農家 関隆さん:「4000俵が二等。1000俵が三等。一等米は一袋もありません。ゼロです。これから支払いが待っている。来年以降、農業機械の更新が待っている。一回ダメージを受けると元に戻るのは難しい」

 こしじ販売 浅香大介さん:「例年ですと、新潟米はほぼ一等米という格付けがされたおコメが入ってきますけど、今年は二等米が中心で三等米も入ってきていて、一等米の入荷が今のところない」

 それでも、今年取れたコメの味は…。

 宮内さん:「今年の二等三等のコメでも、見かけが悪いだけなんですよ。胴割れも入っていないし。精米して食べるうちは、味は変わりない」

 農協が行っている味の検査では、一等米も三等米も味は最高の“Sランク”という結果に。見た目が悪いだけで、農家の収入は大打撃。

 新潟県の試算によれば、暑さなどによる新潟県産のコメの等級低下で、農家の手取り額は県全体でおよそ84億円の減収になるという。

 今年でやめる米農家:「(農家を)やめる」「(Q.もう決定ですか?)うん。この人が(田んぼを)買ってくれれば」

 宮内さん:「大丈夫です。なんとかします」

 今年でやめる米農家:「(Q.今年の出来はどうでしたか?)まだ今は分からないけど、ダメだったと思いますよ。来年だと、なおさらダメだ」

 広さ3反の田んぼで、コシヒカリを夫婦で栽培してきた女性は、この異例の事態に農家をやめる決意をしたという。

 宮内さん:「とても2年や3年で取り戻せないですね。もしもこの状態(猛暑)がまた続いたら、もうやめるしかない。倒産ですよ」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年10月18日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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