インボイス…英会話教室の外国人講師 手取り減り“大打撃” 登録しないと失職も(2023年10月4日)
消費税の納税額を正確に把握するためのインボイス制度が今月から始まりましたが、フリーランスや小規模事業者の人たちからは、不安や反対を訴える声が絶えません。
■手取り減り「職失う恐れも」
カナダ出身の英会話講師、ミッチェル・ブラウンさん。見せてくれたのは…。
ブラウンさん:「これが税金や医療保険などを払う前の月収です」
報酬はおよそ24万円。そこから税金などを引かれ、手取りは15万円程度だといいます。
今後は消費税の負担が生じることで、さらに手取りが減る見込みです。
ブラウンさん:「もし消費税を払わなくてはいけなくなると、13万1516円。ほかにもローンや子どもの費用、すごく上がっている電気代もある。誰がやっていけるんだ」
ブラウンさんが働いているのは大手英会話スクール「Gaba」。実は、Gabaの講師は従業員ではなく、業務委託という形で会社と契約を結び、報酬を受け取る「個人事業主」です。
これまでは年間の売り上げが1000万円以下であれば、消費税の支払いが免除される制度があり、英会話スクール側は、講師に支払った消費税分を控除することができました。
ところが、今月からは講師がインボイス制度に登録せず、「免税事業者」のままだと控除が受けられず、英会話スクール側がこれまでより多くの消費税を負担する必要が生じます。
英会話スクール側はすでに、次のような通知を講師に対して出しています。
株式会社GABAからの通知:「契約を続けるためには、インボイス制度への登録が必要です。(10月からは)6カ月の契約の後は、インボイス登録をしている講師としか契約はしません」
5歳の子どもがいるブラウンさん。登録はしましたが、教育費のことなどを考えると、母国のカナダに帰ることも選択肢だといいます。
ブラウンさん:「今でも妻はシフトが終わった後も、残業をして家計を支えてくれています。経済的にはやっていけても、私が望むワーク・ライフ・バランスではありません」
■英会話講師「生活にとっては大打撃だ」
講師たちは声を上げています。
英会話講師 阪崎武蔵さん:「ギリギリで生活しているし、月々の支払いにも苦しんでいる。生活にとっては大打撃だ」
15年、Gabaで講師として働いてきた阪崎さんは契約が更新されず、来年3月で仕事を失う恐れがあります。
阪崎さん:「今、会社と交渉しています。この仕事は好きなので、続けたいですが」
公正取引委員会は企業に対し、免税事業者との取引で不当な契約解除や値引きをしないよう注意を呼び掛けています。
取材に対して、株式会社GABAは「来年4月以降は課税事業者としての登録のある方とのみ契約する方針で、ご理解いただけるよう、繰り返し説明に努めています」と説明しています。
(「グッド!モーニング」2023年10月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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