“損害調査なし”のビッグモーターと損保ジャパン メリットどこ?「不正、業界全体で洗い出さないと」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
ビッグモーターの不正請求問題で、JNNが内部文書を入手しました。文書には、損保ジャパンがビッグモーターが修理する車について、通常、調査員が行う「損害の査定」を省略することを決めたことなどが書かれていました。
■“言い値”で保険金額が決まっていた恐れ
日比麻音子キャスター:
保険の確定に至るまでの流れを見ていきます。
【自動車保険の査定の流れ(一般的な場合)】
1.入庫・損傷部位など確認
2.見積もり作成・画像送信
3.保険会社の調査員が損害調査
4.修理着工
5.精算見積もりの送付
6.協定連絡・保険金の確定
一般的な場合、査定の流れとして、1、2、4、5が自動車修理会社が行う工程です。一方で3、6が損害保険会社が行う工程です。
まずは車が入庫し、損傷している部位などを自動車修理会社が確認して、見積もりが作成されます。この際に画像が保険会社に送られるということで、ここで3つ目の工程として、保険会社の調査員が損害に関する調査を行います。
そして、自動車修理会社が修理を始めて、見積もりを送り、最終的に保険金が保険会社によって確定します。実際に3つ目の工程というのは、数日かかるケースもあるということですが、ビッグモーターと損保ジャパンの場合、3つ目の「保険会社の調査員が損害調査」が省略されていたということです。
では、お互いにとってどういったメリットがあったのでしょうか?内部文書などによりますと…
ビッグモーターにとって、保険会社による損害調査がなくなり、入庫後、ノンストップで作業着手が可能になる。つまり、入庫から納車までのスピードアップが可能になっているということです。
一方で、損保ジャパンの内部文書によりますと、より効率化を図るとともに、ビッグモーターにおけるプレゼンスアップに繋げるため。つまり、ビッグモーターとの「関係を強化する」ことが目的なのではないかとみられています。
自動車保険に詳しい藤原家康弁護士は「ビッグモーターの一方的な“言い値”で保険金額が決まっていた恐れもあり、保険業法上の問題がある可能性がある。今後、金融庁が重点的に調べると思います」ということです。どのような調べが行われるのでしょうか?
■ビッグモーター1社の問題でなくなってきている
井上貴博キャスター:
出発点としては、保険会社はビッグモーターに騙されているのではないかと思われていた。でもここまで来ると、不正をわかった上で保険会社もむしろ協力して、依存している構図だということになると、これはもう業界全体としての問題。徹底的に洗い出さないと、他の会社はどうなんだろうと。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
加入者たちのお金で、なわけですから。そんなに詳しい人じゃなければ、保険って言ったらいちいち会社じゃなくて、保険システム全部のことを何となく考えてしまいがちですが、他社も同じようなことはないのか、不安を呼びそうなので、ないところは「ない」と本当に見せていかなかったら、保険そのもののイメージが落ちることになりかねないです。
井上キャスター:
迷惑千万ですもんね。しっかりやってるところがどこなのかというのを業界全体で洗い出さないと、ただのビッグモーター1社の問題ではなくなってきてますね、明らかに。
今村さん:
違うところは声を上げて、変な話、叩くぐらいじゃないと。うちは違うというぐらいの声を出してほしいです。
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