熊が“異常出没”で食害深刻 背景に「新世代クマ」の増加か【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

熊が“異常出没”で食害深刻 背景に「新世代クマ」の増加か【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

熊が“異常出没”で食害深刻 背景に「新世代クマ」の増加か【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG

数百万円の被害を受けた農家も出るなど熊による“食害”が深刻な問題になっています。なぜ今、熊が“異常出没”しているのか。専門家は人を恐れない「新世代クマ」の増加が、ひとつの要因だと指摘します。一体、何が起きているのか。解説します。

■約6000房の「ナガノパープル」の3-4割が食い荒らされる

井上貴博キャスター:
9月10日午後0時半ごろ、長野県坂城町での被害です。

「ナガノパープル」を栽培しているぶどう畑に熊が出没しました。住宅街の中にあるぶどう畑で、少し熊も慣れた手つきといいますか、品定めをしながら、その場でぶどうを食べていきます。

1メートル80センチほどの高さのところにブドウがなってますので、そこに簡単に届くという形です。8月末から被害が発覚し、収穫見込み約6000房のうち3割から4割が食い荒らされていて、被害額は数百万円とみられるようです。

続いては、9月8日の午前7時半前、北海道・福島町の水産加工会社に熊がやってきて、その場にある大量のスルメイカを食べました。

警察が車のクラクションなどを鳴らしても慣れている様子で、全くそこから立ち去る素振りはなかったということで、人にも慣れているということです。

この後、スルメイカは残ったそうですが、もちろん売りには出せないということで、全て廃棄・処分。そして、消毒をしたということです。今後の対策は箱にワナを仕掛けるなどしかないということを担当者は話しています。

■ブナの実が豊作の翌年はクマ出没が増加か

井上貴博キャスター:
人通りがある中で、熊がやってくるのはなぜなのか。

9月5日、新潟県がこんな調査結果を発表しています。

熊の餌となるブナの実が豊作であった翌年は熊の出没が増加する傾向にあるというデータです。
2019年、ブナの実が豊作でしたが、その翌年の2020年度は、死者1人、人身被害21人ということで、熊による被害が大きくなりました。

2022年はブナの実が豊作でした。ですので、2023年はこの2020年度と同じような被害が出る可能性が高いということで、新潟県は警戒をしています。

そこにダブルパンチなのが猛暑の影響です。

そもそもブナの実自体が猛暑の影響で大凶作という予測が出ています。これは全国的に同じようなことが言えるということ。

新潟県では既に熊による人身被害が発生しています。3年ぶりとなる「熊出没警戒警報」を発表しているというのが新潟の現状です。

■“新世代クマ”が街中に出没か

井上貴博キャスター:
絶滅していたと言われる地域でも熊が発見されるようになりました。

それが静岡県南伊豆町です。伊豆半島では、生息していた熊は絶滅したと言われていたんですが、2021年、100年ぶりに確認されました。

専門家である日本ツキノワグマ研究所の米田一彦所長にお話を伺うと、「伊豆半島は自然状態が良く、熊の生息数が増えているのでは」と話していました。

ですので、人里に下りてくる熊が増えていることに加えて、熊の頭数自体が増えているのではないかという見解です。

「全国的に熊の個体数が急増。中でも“新世代クマ”が増加している」というふうにも話しています。

そこで着目されているのが「新世代クマ」です。これは、山奥に生息する“強い熊”から逃れ、人里近くに生息し、人を恐れない、人に慣れてしまった若い熊。

今秋は山がエサ不足ですので、山にいた“強い熊”も山にいてもエサがないのでどんどん人里に全体的に近づいてきている。“新世代クマ”が街中に出没するようになったということがあるそうです。

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