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関東大震災100年 「群集事故」過密都市・東京の危険性は(2023年9月1日)
シリーズでお伝えしている「関東大震災100年の教訓」。1日のテーマは狭い場所に人が集中する「群集事故」です。過密都市・東京ではその危険性が指摘されています。
関東大震災では、火事から逃げる人や避難する人が狭い道や橋に集中することで「群集事故」が起き、亡くなった人もいます。
この100年で東京では平日の昼間の人口が4倍以上になりました。
東京大学・廣井教授らの研究では、地震による交通網の混乱で帰宅困難者が徒歩で一斉に帰宅すると、1時間後に多くの場所で1平方メートルあたり6人以上の過密空間が発生すると想定されています。
東京大学 廣井悠教授:「一気に皆が逃げようとして、密度が高まって群集事故が発生するという関東大震災と同じことが起きないとも言えない。地震時は心理状態も平常とは言いづらい。建物倒壊を含め物的被害もある。ソフトもハードも心理も異常状態。そうすると平常時よりも群集事故が起きやすくなるのではないか」
こうした「群集事故」を防ぐために、大切になってくるのが「帰宅困難者対策」です。
帰宅困難者の言葉が知られるようになったのは2011年の東日本大震災です。
東京都では352万人が帰宅困難者になったと推計されていますが、廣井教授は「帰宅困難体験だった」と指摘します。
東京大学 廣井悠教授:「東日本大震災の時は(東京は)震度5強なので都市は壊れていないし、帰った人も一斉帰宅より多くなかった。大変な思いをした人もいっぱいいると思うが、東京の現象は帰宅困難体験だった」
廣井教授らの研究では歩道に人が多くなると移動する車の速度も遅くなり、都心のほとんどの幹線道路で大渋滞が発生すると想定されています。
このため消火や救助のための車が移動できず、二次災害を引き起こす可能性があると警鐘を鳴らします。
東京大学 廣井悠教授:「助けられるはずの命が助けられない。消せるはずの火災が消せない。車道で大渋滞を発生させず、救急車、消防車をきちんと活動させる。『車道空間を優先順位の高い活動に譲りましょう』としないとダメ。迎えに行かなくてもいい環境。帰らなくてもいい環境をどう作るかという、環境作りがとても重要になってくる」
東京都は2012年に帰宅困難者対策条例を制定。
現在、帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設1217カ所を整備し、およそ45万人分を確保しています。
多くの帰宅困難者が殺到するとみられる渋谷駅に隣接する「渋谷ヒカリエ」でも、外部の帰宅困難者2500人の受け入れを想定しています。
渋谷ヒカリエ 管理担当 立川龍之介さん:「こちらが防災備蓄倉庫です」
一時滞在施設は帰宅困難者が72時間滞在するための水や食料を備蓄するよう、定められています。
「渋谷ヒカリエ」ではこのほかにベビーミルクや寝袋なども準備しています。
一方で、食料の提供には限界があり、帰宅困難者同士で助け合いながら滞在してもらうことも検討しています。
渋谷ヒカリエ 管理担当 立川龍之介さん:「一時滞在施設としての経験が豊富ではない。そんななかでも少しでも考えられる想定に対して日々対策を検討し準備をしていく必要がある」
渋谷区などは「地震直後は広域避難場所など安全な所に避難して、開設状況を確認してから一時滞在施設に向かってほしい」と呼び掛けています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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