“せんべろの街”名店いったん閉店 「寂しいけど…」常連客ら惜しむ声(2023年8月31日)

“せんべろの街”名店いったん閉店 「寂しいけど…」常連客ら惜しむ声(2023年8月31日)

“せんべろの街”名店いったん閉店 「寂しいけど…」常連客ら惜しむ声(2023年8月31日)

 いつものようにのれんを下ろし、いつものように掃除機をかけ、いつものようにガラスケースを磨いても、再びここで店を開くことはありません。

 東京の下町、京成立石駅前で進む再開発。ほとんどの店がすでにシャッターを下ろしています。戦前から店を構える居酒屋も30日が移転前、最後の営業日。ここだけが別格のにぎわいを見せていました。

 常連客:「通い始めたのは50年前ぐらいですかね。やっぱりこのぶっきらぼうな…。一番は味ですね」

 「鳥房」という名前の通り、自慢は鳥料理。開店とともに人がなだれ込みました。

 常連客:「『うちは鳥屋ですから酔っ払いは入れません』と絶対入れてくれない。ここで飲んで酔っ払うのはいいけど」「おいしいに決まってんじゃん」

 すると…。

 店員:「ちょっとお兄さん、邪魔なの」

 マナーには厳しいのが店の持ち味です。それでも…。

 店員:「そりゃ寂しいよね」「もう二度とないから」

 それぞれの思いが交錯するラストデー。なぜ、移転しなければならないのか。大将には割り切れない思いがあります。

 鳥房 店主 水澤昭さん(79):「なんてたって、ここに生まれて育って、ここで戦前からやってる店ですからね、僕で3代目で。この通りでね、うちだけだもんね電気付いてるのね。その電気もきょうで消えちゃう。残念だね」

 午後10時を回り、その時がやってきました。そこに間に合わなかった常連さん。

 鳥房 店主 水澤昭さん(79):「え?握手?これ見て、握手…握手してくれた。ありがと~う」「はい、ありがとう!これがなくなっちゃうんだもんね。こういう温かさがさ、全部なくなっちゃうんだもん」「(Q.皆、お父さんのこと大好きで)あははは。もうね、握手してくれた。サイコーだよ。それが消えちゃうんだもん、残念。さよなら」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事