“暴走”盗難車に警察官発砲 容疑者死亡 住民恐怖…元刑事語る“選択”迫られた心情(2023年1月16日)
13日、暴走する盗難車に警察官が発砲し、運転していた男が死亡した事件。拳銃の使用が適正だったのか、警察が調査を進めています。
■2人で2発ずつ発砲…「口論も」容疑者死亡
事件から2日経った15日も、現場には規制線が張られ、大勢の警察官の姿がありました。
目撃者:「(スピードは)120キロくらい。100キロは確実に出て」「(Q.普通じゃない様子?)もう全然、あのスピードは」
現場近くの防犯カメラに映っていたのは、パトカーが乗用車を猛スピードで追跡している様子です。
パトカーに追われていた盗難車は一方通行の道で、信号待ちをしているトラックの後ろに停車。その後ろに並んだパトカーにバックでぶつけます。
八尾警察署の巡査長が助手席側から、警部補が運転席側から警告しましたが、盗難車は前進とバックを繰り返し逃げようとしたため、2人は2発ずつ発砲しました。
盗難車を運転していたのは、住居・職業不詳の石橋健太容疑者(41)です。腹などを撃たれたまま、なおも逃走し、20メートルほど先の信号の柱に衝突し、停止しました。
目撃者:「見に行ったら、車がもう今の状態で大破してて。警察官が『大丈夫か、大丈夫か』って。運転手は暴言をバーッて吐いていて。そういうやり取りがあった」「(Q.警察官に対して暴言を?)口論してて、何と言ってるかは分からなかった」
石橋容疑者は、公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕され、搬送先の病院で死亡しました。
■警察官が発砲…住民恐怖「よっぽどのこと」
“警察官の発砲”について、地元住民は、次のように話します。
地元住民:「発砲って聞いた時は、驚きましたけど。犯人じゃなくて警察が止めようとして、撃ったってことだったので。子どもが保育園に行ってたので、良かったです。捕まってというか、それで解決したなら、良かったです」
地元住民:「怖いは、怖いんですけど。やむを得なかったのかなって気持ちも。よっぽどのことかなと」
日常生活で遭遇することのない事態に、不安を覚える人もいました。
地元住民:「やっぱり怖い。発砲するのは、相手だって車には乗ってるけど、武器を持ってるわけではないから。何を持ってというところはありますよね」
地元住民:「反対ですね。撃たなあかんほどではないやろって。何とかして、止める方法はあったやろとは思うので」
■元刑事「違法ではないか」 2012年にも…
元埼玉県警刑事の佐々木成三氏は、「今回の発砲は、違法ではない可能性が高い」と話します。
佐々木氏:「(発砲せずに)もし容疑者が逃げた場合は、さらなる犯行を繰り返して国民に危害が及ぶ。もしくは警察官の体にも、危害を及ぶ。緊急避難と正当防衛のなかで、違法ではないんじゃないか。結果的に男性が亡くなったのは、とても残念な結果だなと感じています」
2012年、大阪市西成区でワゴン車が暴走し、歩行者ら6人を次々とはねて重軽傷を負わせました。
当時、駆け付けた警察官は警告して拳銃を構えましたが、発砲せず、ワゴン車は警察官の制止を振り切り逃走。再び暴走を続けました。
■“発砲の選択”迫られた心情「ちゅうちょ」
「発砲するか、しないか」。その選択を迫られた警察官の心情について、佐々木氏は自身の経験を踏まえ、次のように語ります。
佐々木氏:「強盗です。コンビニ強盗。刃物を持ってコンビニ強盗に押し入って、被害者に刃物を向けてる状態のところを、拳銃を取り出しながら行ったんですけど。犯人は抵抗というか、逃げてきたんですよね。その時は、やっぱり拳銃を撃てなかったですね。拳銃を撃つと、これは適正なのかという議論になってしまうんじゃないか。そういったことでちゅうちょする。実際、僕もちゅうちょした一人です。(今回)拳銃を使った警察官においては、それなりの判断をして、責任を持って拳銃を撃ったということだと思います」
(「グッド!モーニング」2023年1月16日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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