傾いた電柱に激突4人けが 東海道線ストップ “花火臨時列車”は蒸し風呂状態【もっと知りたい!】(2023年8月7日)

傾いた電柱に激突4人けが 東海道線ストップ “花火臨時列車”は蒸し風呂状態【もっと知りたい!】(2023年8月7日)

傾いた電柱に激突4人けが 東海道線ストップ “花火臨時列車”は蒸し風呂状態【もっと知りたい!】(2023年8月7日)

 神奈川県鎌倉市で5日夜、JR東海道線の電車が電柱と衝突した事故で、JR東日本が緊急の記者会見を開きました。15万人に影響が出た今回の事故、当時何が起こっていたのでしょうか。

■乗客「ドンドンという衝突音と振動が」

 JR東海道線の車内を写した写真です。屋根は剥がれて垂れ下がり、つり革は床に落ちています。

 車内アナウンス:「この列車の前を走る列車が電柱とぶつかったとの情報が入りました」

 5日午後9時半ごろ、鎌倉市の大船駅付近を時速およそ80キロで走行していた電車が、線路側に傾いていた電柱と衝突。乗客ら4人が負傷しました。

 沿線で行われた大規模な花火大会のために用意された臨時列車で起きた前代未聞の事故。一体、何が起きたのでしょうか。

 事故が起きた電車の乗客:「大船駅の手前くらいまで来たタイミングで、電車が急に2回くらいドンドンというような衝突音と振動が加わって、その瞬間に『緊急停止します』というアナウンスが流れ、電車が止まったという状況。騒然とした空気にはなっていた」

 線路上に垂れ下がっていた架線が先頭車両に引っ掛かり、その架線に引っ張られた電柱が折れて、車両とぶつかった可能性があるとみられています。

■車内は“蒸し風呂状態” 乗務員「体力温存を」

 立ち往生したJR東海道線の車内には、多くの人が取り残されました。熱帯夜のなか、車内は悲惨な状態になったといいます。

 電気が止まり、空調が機能しなくなったため、“蒸し風呂状態”だったといいます。

 事故が起きた電車の乗客:「空調が全部切れた時は、すぐむわっと蒸し暑くって。多分、20~30分くらいは窓を開けるまで時間があったと思うが。窓を開けるまでは本当に蒸し風呂状態で、ちょっと息が苦しくなるくらい」

 こうした事態に乗務員が「お座りいただくなど体力の温存に努めてください。また近くの窓を開けてください」とアナウンスしました。

 事故発生から1時間が経った午後10時半ごろ、ようやく電車から線路に降り、駅への避難が始まりました。

 乗務員:「あとちょっとですよ。頑張ってください」

 避難する人たちの中には、浴衣を着た若者やベビーカーを手にする人、中には担架で運ばれる人の姿までありました。

■10分前に通過した別の電車は“異常なし”

 事故を受けて6日、JR東日本は会見を開き謝罪しました。

 JR東日本 鈴木均常務取締役:「(Q.過去に同じような事故が起きているか?)過去にあったかということは、このような形で電柱が列車と大きく衝撃したというようなことは、なかなかなかったんじゃないかと。似たような事象はあったと思いますけれども、列車とぶつかったということは、最近はなかったと把握している」

 この電柱は、2日に点検を行ったばかりでした。

 鈴木常務取締役:「問題ないという状況でございますので、我々が通常の点検のなかで、そこが何か異常があったというふうには認識していなかったと思う。この列車を運転していた運転士が目の前に電柱が見えて、それで衝撃、大きな衝撃を受けたということでございます。我々としては、何らかの理由で線路の方に列車のあるところまで傾くか何かしていた電柱にぶつかったものと考えている」

 10分前に現場を通過した別の電車にも異常はありませんでした。今回の事故で、123本が運休となり、およそ15万人に影響が出ました。

■「数百人がタクシー乗り場に…」 市役所を緊急開放

 ようやく駅にたどり着きましたが、さらなる問題がありました。

 避難した大船駅のタクシー乗り場には、長蛇の列ができていました。

 事故が起きた電車の乗客:「駅周辺で数百人がタクシー乗り場に並んでいる状態だったので、まあ無理かなと」

 駅構内には、地べたに座り込み、途方に暮れる人の姿も見られました。

 帰宅困難者:「横浜駅に行かなきゃいけないので、歩くのは無理、暑いです」

 そんな過酷な状況のなか、大船駅からおよそ4キロの所にある藤沢市役所が急きょ、庁内の一部を開放。帰宅困難者を受け入れ、100人近くが一夜を明かしたといいます。

 藤沢市役所を利用した40代男性:「何時間も外で一夜を明かすとなると、肉体的にも精神的にも、ちょっときつかったかなと思うので。本当にうれしかったですね」

 JR東日本は10日までに、この電柱と構造が同じ電柱について、緊急点検を行うことにしています。

(「グッド!モーニング」2023年8月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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