「僕だけが貧乏くじ」社会に不満 小田急線刺傷事件で懲役19年(2023年7月14日)

「僕だけが貧乏くじ」社会に不満 小田急線刺傷事件で懲役19年(2023年7月14日)

「僕だけが貧乏くじ」社会に不満 小田急線刺傷事件で懲役19年(2023年7月14日)

小田急線の車内で乗客3人を殺害しようとした罪などに問われている対馬悠介被告(37)に、東京地裁は14日、懲役19年の判決を言い渡しました。

事件が起きたのは、2年前の8月。小田急線の車内で、当時20歳の女子大学生が胸や背中を刺され、全治約3カ月の大けがをするなど、乗客3人が無差別に切りつけられました。また、このとき、サラダ油に引火も試みています。

殺人未遂などの罪で起訴されていた対馬被告。公判で明らかになった動機は、社会への不満でした。
第3回被告人質問(6月29日):「僕から見ると、周りの人は何不自由なく暮らしているなと思って、僕だけが貧乏くじを引いたという考えをもって、世の中への憎しみへと変わっていったと今では考えています」

一番重傷だった女子大学生は、スマホを触っていたところ、いきなり右胸を刺されました。
被害にあった女子大学生(当時20):「私は家族や友人にも恵まれ、幸せだなと思います。だからと言って、襲われてもいい理由にはならないと思います。選んで幸せになったわけでも、選んで不幸になったわけでもないので、犯人が悪いというよりも、社会構造に問題があるのかな、なんて考えたこともありました。でも、絶対に許されることではありません」

弁護側は「殺意の程度は低く、双極性障害の影響も受けていた」と主張していました。出された判決は、求刑より1年少ない懲役19年。裁判長の説諭です。
中尾佳久裁判長の説諭:「事の重大性を、これからよく考えていってほしいと思います。被害者の肉体的・精神的苦痛をよく考えてほしいと思います」

この事件は、直後に起きた京王線での事件で模倣犯を生み、鉄道の安全管理が問われるなど、社会的な影響は大きいものでした。

参加した裁判員は、このような感想を話しました。
裁判員:「もっと見るからに危ない人なのかなと思ったら、落ち着いている感じでした。電車に乗っていて、この人がいても警戒しないなと思ったので。心の中で怖いことを思っていてもわかんないもんだなと。誰にでもなり得てしまうのかなと。ちょっとした感情の違いとかでなってしまうのかな。思ったより普通の人だなというのも変ですけど」
裁判員:「大なり小なり、社会に対してとか不平不満は、皆、一様には持っていると思う。それ対して、自分で行動を起こしてしまうのか、そうではないのかが、一番、大事かなと思いました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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