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“沖縄カード”日本への揺さぶりか 玉城知事の訪中に“特別対応” 中国の思惑とは…(2023年7月4日)
3日、沖縄県の玉城デニー知事が中国の北京を訪れた。訪中に先立ち、習近平国家主席は沖縄に関して異例の発言があり、玉城知事の対応が注目されている。
■尖閣諸島を巡り…知事の発言が物議
3日、河野洋平元衆議院議長を団長とする日本国際貿易促進協会の訪中団がおよそ4年ぶりに北京に到着した。訪中団には河野氏や財界人77人のほか、今回2回目の参加となる沖縄県の玉城知事の姿もあった。
今回の訪中は、経済交流を目的とし、中国商務省の関係者との交流や政府要人との会談も調整している。その一方で、訪中を前にした先月26日、沖縄県議会では尖閣諸島を巡る知事の発言が物議を醸した。
自民党・大浜一郎県議:「『尖閣諸島は古来より中国の領土だった』その説明を受けたら、知事はどのように答えますか」
玉城知事:「色々な対応があろうと思いますが、発言しないことも一つの対応。必要であれば、そこで即答しないことも必要ではないかということも検討しておきたい」
経済面での連携を重要視する玉城知事は、中国側が尖閣諸島の領有権を主張しても、即座に反論はしない可能性を示唆したのだ。今回の玉城知事の訪問は、中国でも異例の扱いとなっているという。
■習主席“沖縄の歴史的なつながり強調”
中国の政治・経済に詳しい講談社「現代ビジネス」編集次長・近藤大介氏は、次のように述べた。
近藤氏:「沖縄の知事が中国にやってきたと。日本と違う外交を行うと。ものすごく注目を浴びています。3日のですね、中国最大の外交紙『環球時報』でも、そのことを大々的に特集しておりまして」
また、先月4日、中国共産党の機関紙「人民日報」が「福州(福建省)で働いていた時代に琉球館や琉球墓などがあり、琉球との交流が非常に深いことを知った」と、習主席の発言を1面で報じている。
「琉球」という言葉を使って、中国と沖縄の歴史的なつながりを強調した形だ。
玉城知事の訪問に特別な対応をみせる中国の思惑とは…。
■“沖縄カード”台湾問題関与の日本意識か
習主席の「琉球」発言の狙いを見ていく。
発言は中国共産党の機関紙「人民日報」の1面(先月4日付)で紹介され、習主席が「尖閣が中国の領土に属していた」と記録した文書の説明を受けている際、「福州に勤務していた時、琉球館や琉球墓があり、琉球との交流の根源が深いことを知った」と発言したという。
香港の星島日報によると、習氏が最高指導者に就任後、沖縄について公で言及したのは初めてだという。また、習氏の沖縄に関する発言が1面で紹介されるのは異例のことで、今回の玉城知事の訪中を意識したという観測もある。
一方で、今回の発言は、台湾問題への関与を強める日本を牽制(けんせい)する意図があるという見方もある。
近藤氏は「日本が中国と台湾を分断しようとすれば、日本と沖縄を分断させる“沖縄カード”を用意していた。来年の台湾総統選で親中派を当選させたい中国としては、今、日本に台湾問題への関与を許したくないため“沖縄カード”を切った」とみている。
■“日本を牽制するカード”として沖縄を
中国が日本への揺さぶりとして“沖縄カード”を使うのは、今回が初めてではない。
2012年、日本政府が尖閣諸島を国有化し、日中関係がかつてないほど悪化した。すると、人民日報は2013年、尖閣問題に関して専門家の論文を掲載し、「琉球は明や清の時代に中国の属国だった」「琉球は日本に奪われた」と指摘した。
さらに「歴史的に解決していない琉球の問題を再び議論する時が来た」と主張するなど、尖閣諸島の問題と合わせて、“日本を牽制するカード”として沖縄を持ち出していた。
こうした背景があるなか、訪中する玉城知事は今年度から県庁に「地域外交室」を新設している。これはアジア太平洋地域の平和構築に貢献するため、独自の外交を推し進めることを目的としている。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年7月4日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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