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【熊谷6人殺害・国賠判決】危険切迫を認定も“控訴棄却”遺族の無念◆日曜スクープ◆(2023年7月2日)
■警察対応の是非巡る“国賠控訴審で判決”原告の控訴棄却
2015年に埼玉県熊谷市で起きた男女6人殺害事件で、妻と娘2人が殺害されたのは、県警の不審者情報の提供が不十分だったとして、遺族の加藤裕希さんが県に約6400万円の損害賠償を求めた国家賠償請求訴訟の控訴審で、東京高裁は6月27日、請求を棄却した1審のさいたま地裁判決を支持し、原告側の控訴を棄却する判決を言い渡した。
訴えによると、当時、埼玉県警は熊谷署から逃走中だったペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者を、最初の殺人事件の「参考人」として全国に手配していた。ジョナタン受刑者の逃走については、加藤さんの事件が起きるまで、埼玉県警は明らかにしていなかった。
1審のさいたま地裁は昨年4月、埼玉県警の情報提供に違法性はないとして、原告の訴えを棄却した。昨年10月に始まった控訴審では1審と同様、事件の発生について予想可能かどうかという、即ち、警察が予め知り得る「予見可能性」、また、その予見可能性に基づく「結果回避義務」の存否が争点となっていた。
■“危険の切迫性”認定も情報提供は警察裁量
6月27日の控訴審判決で、「1件目の事件発生後の2015年9月15日正午の時点で、ジョナタン受刑者が周辺で同じような凶悪犯罪を起こす危険性が切迫していたということができる」と、“危険の切迫性”を認定した。しかし、控訴審判決は、「9月15日正午の時点で、埼玉県警が把握していた情報から、最初に発生した殺人事件の犯人がジョナタン受刑者であると特定し、また、類似の犯罪が連続発生することを具体的に認識していたとはいえない」としたうえで、重大事件が発生した初期段階で捜査の状況に応じて、地域住民にどの程度の情報を提供するかは警察の裁量に委ねられている」と判示した。
■「家族に報告できず」原告が抱く無念は
判決について、高橋正人弁護士は、「(裁判官が)“危険の切迫性”については認識可能性が捜査機関になかったと言ったわけです。捜査のプロでもない裁判官が“危険が切迫していた”と言っている。なぜ、捜査のプロがそれを認識できないのか、非常に不思議だ」と、判決に懐疑的な姿勢を示した。原告の加藤裕希さんは、「主張が認められなかったということで、家族にはまだ報告できない」と無念さを語った。加藤さんは上告について、検討している。
▽埼玉・熊谷6人殺害事件
2015年9月に、住宅3軒で男女6人が殺害された事件。強盗殺人などの罪に問われたナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン受刑者は2018年3月、1審・さいたま地裁で死刑判決。東京高裁は19年12月、心神耗弱を理由に1審判決を破棄、無期懲役を言い渡した。検察側は上告を見送った。最高裁が20年9月、無罪を主張する弁護側の上告を棄却、無期懲役の高裁判決が確定した。
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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