日本の民間企業も医療で支援“復興費58兆円”60カ国参加『ウクライナ復興会議』(2023年6月21日)
ロンドンで『ウクライナ復興会議』が始まり、約60カ国が参加しています。
ウクライナ南部・ヘルソン州。ダムの決壊から2週間が過ぎましたが、浸水したままの地域がいまなお残っています。被災地に対し、ロシア軍は、毎日のように攻撃を続けています。
現地にはボランティアが駆け付け、物資の提供や避難誘導など支援にあたっています。兵士たちとも活動を共にするボランティア。彼らにボートを提供することを決めたそうです。そこには極めて切実な理由があります。
ボランティア活動をするデニスさん:「兵士らは作戦の状況を見極めながら、人々を避難させるため、昼夜を問わず、ひそかに対岸に渡っていた。対岸では、ロシア軍が住民を避難させていないからだ。多くの犠牲者が出ている。人々と動物は屋根で死んでいた」
ドニプロ川を挟んだ対岸は、ロシアが占領する地域。ウクライナ側は、ロシア軍が住民を避難させないため、ある街では500人以上が死亡した可能性があるとしています。
このダム決壊を含め、ロシアの侵略によって、ウクライナはとてつもない損害を受けてきました。復興にはGDPの3倍、日本円にして約58兆円がかかるとの試算が出ています。
ウクライナの未来を見据えた会議が始まりました。
イギリス・スナク首相:「昨年、ウクライナのGDPは29%も減少しました。キーウの街並みを見てください。攻撃の脅威にもかかわらず、市民の営みは続き、事業は盛んです。ウクライナは後退を拒絶する、活気に満ちた創造的な欧州の一員なのです」
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ビデオ声明を寄せました。
ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「いまの世界で、ウクライナほど建設と復興が必要な場所はありません。日々、ロシアの侵略が新たな荒廃を生み出しています。この会議で私たちはビジョンから合意へ。そして、合意から具体的な計画へと移行しなければなりません」
復興会議には、林外務大臣が参加。年末か来年初めに日本で経済復興支援推進会議を開催すると表明しました。
林外務大臣:「日本は、これまで培ってきた復旧・復興に係る経験や知見を活かし、ウクライナの人々に寄り添った“日本ならでは”の復興支援を力強く実施していく考えです」
復興会議には、政府関係者だけでなく、民間企業も集まりました。日本からも約20社が参加しています。
日本企業が担おうとしている分野の一つが医療です。
復興会議に参加したIT企業と提携するクリニック。ここで使われているのが遠隔医療アプリ『Join』です。現場の医師が診断に困った際に遠隔で専門医のアドバイスを受けることができるというものです。
チームメディカルクリニック・小橋大恵理事長:「これはMRIだが、レントゲンやエコー、さまざまな医療機器があるが、ほとんどのものと連携して(専門医と共有し)画像をみることができます」
ロシアの攻撃によって機能を停止した病院は少なくありません。避難のため、職場を離れた医療従事者も多く、ウクライナの医療はひっ迫しています。
アプリを開発した企業は、これを使ってウクライナの医療関係者と国外にいる専門医をつなげる計画です。
アルム広報担当・工藤瑞紀さん:「(Q.ウクライナで活用するメリットは)必ずしも今のウクライナの医療現場で医師が対応できるとは限らなくて、医師でなくても看護師でも応急処置ができる使い方ができると思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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