ロレックス881万円→3万円…「東急本店閉店セール」装うサイト 残る“中国の痕跡”【もっと知りたい!】(2023年6月20日)
今年1月に閉店した東京・渋谷の「東急百貨店本店」の閉店セールを装う詐欺サイトが、インターネット上で出回っています。追跡すると、繰り返し偽サイトを作り続けるグループの存在が明らかになりました。
■東急百貨店「管轄の警察署に報告・相談」
サイトで購入手続きをした会社員の男性(63):「本当に皆さんが親しんでいた百貨店がなくなるということで、売れ残ったものを処分するのに、大盤振る舞いをするのかなって。興味を持ってクリックをしてみようと」
そう思った男性が先週、あるサイトにアクセスしました。
そのサイトには、ロレックスの881万円の腕時計が2万9000円、エルメスの270万円のバッグが2万5800円など、高級ブランドの商品が信じられない値段で並んでいます。
一体なぜ、こんなに安いのでしょうか?
東急百貨店本店・稲葉満宏店長(当時):「長い間、東急百貨店を支えて下さった皆さま。本当にどうも、ありがとうございました」
今年1月に閉店した東京・渋谷の東急百貨店本店。再開発に伴い、渋谷の街から姿を消しました。
サイトでは、スタッフが最後にお辞儀する写真をそのまま使用。閉店セールのため、破格の値段になっているとしています。
男性は、インスタグラムで広告を目にしたことをきっかけに、このサイトにアクセス。家族などにプレゼントしようと、ルイ・ヴィトンとプラダのバッグ、ロレックスの時計を合わせて6万円で購入することを決め、名前や住所などの個人情報を入力しました。
会社員の男性:「東急さんの使われてた写真が、本物だったと思うんですけど。東急本店の写真で、マークも使っていましたし。商品は代引きで届けると書いてあったので、先にクレジットカードの情報を打ち込まなくて良い。大丈夫かなと思った」
そこで、実際に東急百貨店が閉店セールを行っているのか、番組は問い合わせてみました。
東急百貨店:「営業終了に伴った海外有名ブランドの割引価格での販売や、ショッピングサイトでのセールなどは実施しておりません。管轄の警察署に報告し、相談いたしております」
東急百貨店は閉店セールを否定し、サイトは悪質な偽物と断定しました。
このことを知った男性はすぐに注文を取り消したため、個人情報は入力しましたが、金はだまし取られずに済みました。
■“田中”と名乗る人物から返信
一体、誰が偽サイトを作り、運営しているのでしょうか?
東京・自由が丘の雑居ビルの3階に住所を置く会社が、偽サイトの運営を行っていることを突き止めました。しかし…。
同じビルに入る別の店舗の従業員:「(Q.会社を見たこともない?)分からないですね」
登録された住所に、会社は存在していませんでした。そこで、サイトで問い合わせ先となっているメールアドレスに質問を送ると“田中”と名乗る人物から返信がありました。
番組とサイト側のメール:「(Q.商品は本当に届くのでしょうか?一度、お電話で確認はできますか?)申し訳ございませんが、電話対応できません」「(Q.なぜ、こんなに安いのでしょうか?)閉店プロモーション」「(Q.これは詐欺ではないですかね?)申し訳ありませんが、ご注文が見つかりませんでした」
その後、偽サイトであることについても質問しましたが、返信はありませんでした。
■偽サイトに残る“中国の痕跡”
ネットを舞台に、今も多くの被害者を出し続けている偽サイト。専門家にサイトの解析を依頼しました。
情報セキュリティーに詳しい SCSK・亀田勇歩さん(38):「(Q.偽サイトはいつ作られた?)6月の頭に作られたというところが、確認できておりまして。3月以降、色々な(同様の)ウェブサイトが、立ち上げられては閉じてを繰り返しているのが確認できています」「(Q.偽サイトを誰が作ったのか?)ドメイン(インターネット上の住所)が、中国のドメインを取得する事業者から購入されているということも分かってますので。もしかしたら中国に関係する方が、関係している可能性もあると思います」
偽サイトに残る中国の痕跡。さらに東急百貨店以外にも、同じグループが作ったとみられるサイトは複数確認されていて、専門家は今後、さらに被害が膨らむことを懸念しています。
亀田さん:「実はこの件、結構(事態は)重いなと、私個人は思っていまして。犯人を捕まえない限り、いつまでもどんどん増え続けていく、被害が発生し続けるというのもありますので。本当に大本を取り締まっていかないと、なかなか被害が減っていかない」
(「グッド!モーニング」2023年6月20日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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