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【報ステ解説】中国「あくまで面会」力関係の違いアピール?米国務長官と会談の狙いは(2023年6月19日)
2日間の日程で中国を訪問している、アメリカのブリンケン国務長官。18日は秦剛外相と7時間半にわたって会談しましたが、19日は外交トップの王毅政治局委員、そして習近平国家主席とも会談を行いました。米中の緊張関係が続くなか、何が話し合われたのでしょうか。
ブリンケン国務長官:「バイデン大統領が私を北京へ派遣したのは“関係を維持する義務が両国にある”これを信じているからです。アメリカの利益であり、中国の利益であり、世界の利益なのです」
習主席:「王毅国務委員と秦剛外相とは、長時間の会談となりましたね。総じて、双方の会談は実直で、踏み込んだ談話であると思います。中国は自分の立場を表明しました。私がバイデン大統領とバリ島で達成した“共通認識”を実現させることで、双方は合意しました」
習主席が言及した“米中の共通認識”。去年11月、バイデン大統領と初めて対面で行われた首脳会談でも出てきた言葉です。「中国の体制変更を試みる」ことや「台湾の独立を支持する」など、中国にとってのレッドラインを双方が認識すること。それを踏まえたうえで、衝突を避けるための対話の重要性を認識すること。共通認識とは、この2つを両立させることです。
以来、両国は対話のチャンネルの構築を模索してきましたが、アメリカ上空に現れた1つの気球が状況を振り出しに戻します。アメリカは、中国の偵察気球だと結論付け、数日後に予定されていたブリンケン国務長官の訪中を取りやめました。
その後、4カ月かけて訪中のタイミングを計ってきた両国。ただ、その間には、かなりの温度差があったようです。
ワシントン・ポスト(7日):「バイデン政権は、中国との緊張を緩和しようと関係の改善を試みているが、中国側は関係改善には関心がないことが明確になってきている。シンガポールで李国防相がオースティン国防長官との会談を拒んだ事実は、その顕著な例だ」
その温度差が現れたのでしょうか。この2日間の中国側の対応は、歓迎しているのか、冷遇しているのか判断しかねます。18日の外相との会談は、ディナーも含めると7時間半にわたり、「率直で、実質的で建設的な会談だった」と双方が発表しています。中国共産党系の環球時報は一面で「米中の外相会談は建設的だった」と好意的に報じました。
一夜明け、外交トップ・王毅政治局委員との会談では、友好的な雰囲気で会談が始まるかのように見えましたが、全然違ったようです。
王毅政治局委員(中国外務省発表):「今回の北京訪問は、まさに中米関係において大事な時期である。アメリカは対話か対抗、協力か衝突を選択する必要がある。中米関係が最悪になっている根源は、アメリカが中国への誤った認知を抱いているため、誤った対中政策に至ったからだ。アメリカは中国の主権と領土を尊重し、台湾の独立に明確に反対すべきである」
これがファイナルアンサーかと思えば、最後の習主席との会談では…。
習主席:「国と国との付き合いは相互尊重。誠意をもって接するべきです。国務長官の今回の訪中が、中米関係の安定に積極的な役割を果たすよう願います」
アメリカはどう受け止めたのでしょうか。
ブリンケン国務長官:「台湾をめぐるアメリカの立場は『一つの中国』から変わっていません。台湾の独立は支持しないし、どちらの側による現状変更にも反対する。(Q.訪問によって両国関係は改善したか)訪中の目的は、例えば、開かれた対話チャンネルを設けること。懸念事項を直接伝えること。利益が共通する分野では協力すること。すべて網羅しました。しかし、道は険しい。1回の訪問や対話でできることではない。しかし、双方が必要と考えることを実行することは重要です」
■習主席が米国務長官と“面会”中国の狙いは
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中国は冷え込む関係をどうしようとしているのか。中国総局・冨坂範明総局長に聞きます。
(Q.中国側はなぜ、ブリンケン長官と会ったのでしょうか)
冨坂総局長:「アメリカ側の関係改善の本気度を、ギリギリまで見極めていたのだと思います。18日の秦剛外相との会談では、前向きな内容が話し合われた印象が強かったです。一方、19日の王毅氏との面会では、強硬な内容が目立ちました。硬軟取り混ぜて、アメリカの態度を探ったうえで、習主席との面会の是非を判断していた可能性があります。例えば、習主席との面会後、アメリカが態度を変えることはないか、特に台湾問題について、独立を支持するというレッドラインを越えてこないかということを、しっかり見極めたうえで、面会に臨んだとみられます」
(Q.中国のトップである習主席が、立場が異なるブリンケン国務長官と会う意味は何ですか)
冨坂総局長:「実は、これまでアメリカの国務長官が訪中した際は、中国トップである国家主席が面会するのは普通でした。これまでは、中国とアメリカの関係が良好だったので、わざわざやって来た国務長官を出迎える。どちらかと言うと、対等に近い形の面会でした。ただ、今回は、習主席が真ん中に座って、両脇にアメリカ・中国双方の外交官を置いて、あくまで上の立場の者が下の立場の者に会うスタイルを取っているのが特徴です。つまり、中国としては『これまでの力関係とは違うんだぞ』『関係改善の主導権は、こちらにあるぞ』という点を、アピールする狙いが強いと思います」
■アメリカの“成果”台湾問題は
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一方のアメリカは、今回の訪中の成果をどうみているのか。ワシントン支局の小島佑樹記者に聞きます。
(Q.習主席との面会をアメリカはどう受け止めていますか)
小島記者:「どういう形であれ、アメリカ政府としては、慣例通りに習主席に会えた点でホッとしているのが正直なところだと思います。気球問題をめぐって一気に悪化した関係を、何とか対話の路線に戻していきたい。対話できる環境を作っていきましょうというのが、今回の訪中の最大にして最低限の目的でした。習主席本人からアメリカとの対話を重視していく姿勢を引き出せたことは、アメリカ政府にとって一定の成果と言えます」
(Q.中国側は一連の会談で『具体的な問題で進展があった』としていますが、焦点の台湾問題については、どうみていますか)
小島記者:「台湾をめぐる問題は、米中関係のボトルネックとなっている課題です。これに関しては、具体的な進展はなかったのだろうとみています。ブリンケン国務長官の会見でも、これまでのアメリカの立場を繰り返すのに終始しました。譲歩するという姿勢を示しておらず、平行線に終わったのだと思います。アメリカ国内に目を向けてみると、意見の対立が根深いと言われているアメリカ議会は、中国に対して『強硬に対応せよ』という意見で一致しています。そのため、バイデン政権は中国に対して容易に弱腰姿勢を見せられない。仮に見せてしまうと、国内の政治が揺らぎかねない事情があります。とはいえ、お互いに負のスパイラルがこれ以上、続くのは良くないという共通認識は持っているので、まずは対話を維持することを目的に、それを最低限のミッションとして、中国側も応じた形と言えます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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