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【巨大ダム決壊で甚大被害】被災者攻撃“大規模反転攻勢”作戦に影響◆日曜スクープ◆(2023年6月11日)
■巨大ダム決壊の洪水で“死者13人”避難市民の痛苦
巨大ダムの決壊による大洪水で、戦禍に苦しむ被災市民は甚大な被害と犠牲を強いられた。ロシア軍が占拠するウクライナ南部へルソン州にあるカホフカ水力発電所のダムが6日、決壊した。氾濫したドニプロ川の水量が下流域に押し寄せ、洪水が発生した。電力や水資源の喪失で周辺地域が長期間、打撃を受けることは不可避となった。
ウクライナが統治する地域では、死者5人、行方不明13人の被害が確認された。一方、ロシアの支配地域は、死者は8人とロシア側の当局者が発表した。約2万2000棟が浸水していると見られる。ロシア側では救助活動が行われていない可能性が指摘されている。ロシアの支配地域から避難してきた女性は、「多くの人が溺死していた。子どもたち、母親、赤ちゃん、おじいさん、おばあさんの遺体がたくさん浮いている」と、被災地の厳しい状況を証言した。
被災者に対する攻撃が確認された。ヘルソン州のプロクディン知事は、洪水被害を受けたヘルソンで、ロシア軍の砲撃によって、25歳と50歳のボランティア2人が負傷したと発表した。ドニプロ川沿いに住むタチアナさんは、「避難バスが到着し始め、人だかりができた。多くの人が自分の荷物を車で避難させようとした。その時、ロシア軍はかつてないほどの迫撃砲を撃ってきた」と当時の恐怖を語った。
■ウクライナ東部・南部「大規模作戦を展開か」米戦争研究所
ゼレンスキー大統領は8日、「非常に激しい戦闘が繰り広げられており、ウクライナ軍は段階的に成果を上げている」と述べ、兵士らを称えた。反転攻勢開始の明言は避けた。一方、プーチン大統領は9日、「ウクライナの攻勢が始まった」と明言したうえで、「ウクライナ軍によるこれまでの反攻の試みはすべて失敗したが、ウクライナ政権には攻勢の能力が残っている」と語り、ウクライナ軍が反転攻勢に着手した認識を示した。戦争研究所は9日、ウクライナ軍が少なくとも、ルハンシク州、ドネツク州バフムト、ザポリージャ州など4つの地域で反撃作戦を継続していると分析した。
英BBCは10日、大規模な反転攻勢について、「この攻勢はおそらく『5か月』も続かないだろう。秋雨が降れば、再び重装甲車が通れない泥濘の地面になる」と伝えた。気候条件的に、5か月間の限定された戦いになると見られ、この5ヶ月でウクライナ軍が領土をどのくらい奪還できるのか焦点となる。
■ウクライナ軍“東部バフムトで成果”ロシア後退
ウクライナ東部方面軍のチェレバティ報道官は9日、「ロシア軍部隊はこの地域を十分に把握しておらず、適切な偵察や連携ができない状況を利用して、ウクライナ軍が数日前から攻撃を実施している」と明らかにした。
ロシアの軍事ブロガーは6日、「ウクライナ軍がオリホボ・ワシリフカから前進し、『E40』高速道路に沿った高台の地域を占領した」と伝えた。また、ウクライナ軍は、バフムト南部にあるシベルスキー・ドネツ運河の西岸に沿って、約1.2キロ前進し、ロシア軍を押し返した。
米CNNは、米国政府当局の情報として、武装したロシア軍が、対戦車ミサイル、手りゅう弾、迫撃砲などで強固に対抗し、ウクライナ軍の装甲車両が地雷により大きな損害が発生していることを報じた。
■南部ザポリージャ州“大規模反転攻勢”激しい戦闘が継続
ウクライナ軍は8日未明、南部ザポリージャ州西側で攻撃を展開した。ウクライナ軍が反転攻勢をかける最有力として、分析されていた場所とされていた重要地域となる。ウクライナ軍が、地上攻撃を仕掛け、ルホベとロブコベを制圧した。この戦闘で、ウクライナ軍が供与を受けた独製主力戦車「レオパルト2」が3台、米国製歩兵戦闘車「ブラッドレー」が11台、仏製偵察戦闘車「AMX-10RC」が2台、破壊された。だが、ウクライナ軍は、ロシア軍の第1防衛線を突破したと見られる。
ロシア情報筋によると、同州北部のオリヒフ地区では、ロシアの防衛部隊の3倍を超える勢力のウクライナ軍の10個旅団が集結しているのが確認されている。同地区では、ウクライナ軍による第2波、第3波の攻撃の可能性が指摘されている。米戦争研究所の最新情報を基礎に戦況を詳報・解説する。
★ゲスト:駒木明義(朝日新聞論説委員)、長谷川雄之(防衛省防衛研究所)
★アンカー:杉田弘毅(共同通信社特別編集委員)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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