【モスクワ無人機攻撃】国内に走る緊張“プーチン氏”公邸も標的か◆日曜スクープ◆(2023年6月4日)
■首都キーウ“7日連続空爆”子ども含む民間人が犠牲
首都キーウを標的にしたロシアによる7日間連続の空爆があり、多数の負傷者が出るなど民間人が犠牲となった。5月31日、ウクライナ空軍はSNS投稿で、ロシア空軍がドローン「シャヘド131/136」31機で攻撃を仕掛け、そのうち29機を迎撃したことを発表した。1日には、ロシアは首都キーウに短距離弾道ミサイル「イスカンデル」10発を発射、子ども2人を含む3人が死亡した。
首都キーウ空爆を巡るロシアの狙いは、ウクライナが構築する防衛システムの迎撃能力を把握するために、集中的に攻撃を行った可能性があると見られている。ロシアによる空爆は今年1月には3日間だったが、5月には21日間行われるなど頻度は増加し、ドローンとミサイルの波状攻撃を繰り返している。ウクライナの反転攻勢の準備を意識したのか、5月は空爆が一段と強化された形となった。ロシアによる空爆に使用されたミサイルの中でも、空中発射型の巡航ミサイル「kh-555」、「kh-101」は、標的への命中精度が高いと評価されている。
■ロシア西部とモスクワ“越境攻撃”プーチン氏に危機感
ウクライナによる反転攻勢の本格化を前に、ウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州などで国内攻撃が継続されている。米シンクタンク・戦争研究所は1日、国境から7キロ離れたシェベキノが攻撃を受けたことを指摘した。また、国境から3.5キロ離れたノバヤ・タボルジャンカでは、「反プーチン」を掲げ、ウクライナ側で戦闘に従事する武装組織「自由ロシア軍団」の姿が確認されている。国境を接するロシア西部で攻撃が相次ぐ中、プーチン大統領は2日、「ロシア国内を不安定化させるために、我々に悪意ある者たちが今も努力を続けている。いかなる状況下でも、これを組織するために全力を尽くさなければならない」と述べ、越境攻撃への危機感を募らせた。
■ウクライナ情報高官“排除標的1位”プーチン氏暗殺に言及
5月30日、ロシアの首都モスクワ西部で、ドローンによる攻撃があった。飛来したドローンは8機で、攻撃を受けた地区はモスクワの西側から南西部にかけての8カ所。ロシア国防省は5機を迎撃、3機を電子システムにより無効化したと発表した。深刻な損傷や人命被害の報告はない。
一部のドローンは、ロシアの政治家、高官、また、オリガルヒなどが集まる高級住宅街「ルブリョフカ地区」の上空で3機が撃墜された。この地域はプーチン大統領の公邸がある「ノボオガリョボ地区」から近いとされる。5月3日には、首都モスクワにある大統領が執務するクレムリンが、ドローン2機による攻撃を受けていた。ロシア国内では、モスクワ市内まで到達させたことについて、批判の声があがった。相次ぐドローン攻撃の事態を受けて、ロシア大統領府は1日、モスクワ西部にある「中央臨床病院」敷地内に、防空壕を新設する計画を明らかにした。プーチン大統領ら要人の避難場所として活用される可能性が指摘されている。
ウクライナ国防省情報総局のスキビツキー副局長は5月30日、独ベルト紙の取材で、プーチン大統領の“暗殺”に言及した。また、スキビツキー副局長は、「プーチン大統領はウクライナ特殊部隊による排除を狙う候補者リストのトップに上がっている」と説明した。米戦争研究所の最新情報を基礎に戦況を詳報・解説する。
★ゲスト:黒井文太郎(軍事ジャーナリスト)、山添博史(防衛省防衛研究所)
★アンカー:末延吉正(ジャーナリスト/東海大学教授)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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