通告初日に“衛星”発射も失敗…約7分後に“消失” 北は異例の発表(2023年5月31日)

通告初日に“衛星”発射も失敗…約7分後に“消失” 北は異例の発表(2023年5月31日)

通告初日に“衛星”発射も失敗…約7分後に“消失” 北は異例の発表(2023年5月31日)

31日午前6時半ごろ、沖縄を対象に『Jアラート』が発令されました。

軍事衛星を「6月に打ち上げる」などとしていた北朝鮮。通告していた期間の初日となる31日、「衛星を載せた」とする飛翔体を発射しました。

34分間続いた緊急避難体制。日本上空に飛んでくることはないと判断され、Jアラートは解除されましたが、人々の平穏な日常が乱されたことには違いありません。
那覇市民:「ちょうど就寝してたときだったので、恐怖感、危機感というか。朝から騒々しい一日を迎える形になった」
那覇市民:「心臓は弱くないけれど、びっくりした。飛び上がるような気がして。もうちょっとあの音は何とかならないか」
那覇市民:「さすがに二度寝はできなかった」

日韓の情報を総合すると、飛翔体が発射されたのは午前6時28分。7~8分ほど経ったところで、レーダーから消失しました。飛翔体は7時ごろに、黄海に落下したとみられています。

つまり、失敗ということなのか。世界中がその判断材料を探しているなか、北朝鮮が異例の行動に出ます。発射から3時間も経たないうちに、失敗を認めました。
朝鮮中央通信HP:「西海衛星発射場で予定されていた軍事偵察衛星『万里鏡(マンリギョン)1号』を新型の衛星運搬ロケット『千里馬(チョンリマ)1型』に搭載して打ち上げた。打ち上げられたロケットは、1段目の分離の後、2段目エンジンの始動で異常が起き推力を失い墜落した」

この発表からわかることは、搭載された偵察衛星の名前『万里鏡』。万里の先をも見通す、つまり望遠鏡を意味しています。使用したロケットの『千里馬』というのは、テレビの放送が始まると、必ず登場する“1日千里を駆ける”という伝説の名馬です。

金日成主席が推し進めた社会主義経済建設運動の象徴でもあり、この打ち上げが、金一族にとって特別なプロジェクトだということがわかります。

そして、失敗の理由は、2段目エンジンが正常に起動しなかったこと。これについて、韓国の情報機関は、こう指摘します。
韓国国家情報院の報告を受けた議員国家情報院:「報告によると、過去の飛行経路は一直線だったが、今回は西側に偏った経路を設定し、東側に無理な軌道変更をしようとして、技術的な問題が発生した可能性があるとの分析でした」

朝鮮半島の西側に2カ所、フィリピンの東側の1カ所に、落下物危険区域として通告していた北朝鮮。2段目のエンジンで軌道をずらすという、より難度の高い方法を取るだろうといわれていました。それが、打ち上げ失敗につながったとみられます。「残骸を韓国側に回収されたくないので、中国近くに落としたかったのでは」と韓国の専門家は指摘しています。

失敗に終わった今回の打ち上げですが、これで終わりではありません。
NADA=北朝鮮国家宇宙開発局:「打ち上げで現れた重大な欠陥を具体的に調査、解明し、可及的速やかな期間内に2回目の打ち上げを断行する」

30日、宇宙からとらえた衛星発射場の画像から、2つ目の発射施設が運用可能な状態にまで完成していると分析されています。
北朝鮮大学院大学のヤン・ムジン教授:「ロケットの分離エンジンの問題は、修正するのに大きな困難はないでしょう。6月11日までに再び発射する可能性も排除できないと分析しています」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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