【独自映像】毎日同じ道歩く2人の女性 容疑者、散歩中狙い待ち構えた?長野立てこもり(2023年5月27日)

【独自映像】毎日同じ道歩く2人の女性 容疑者、散歩中狙い待ち構えた?長野立てこもり(2023年5月27日)

【独自映像】毎日同じ道歩く2人の女性 容疑者、散歩中狙い待ち構えた?長野立てこもり(2023年5月27日)

サタデーステーションが新たに入手した防犯カメラ映像。そこには被害者とみられる女性2人の姿が。
取材を進めると、容疑者の男が散歩中の2人を待ち構えていた可能性も出てきました。

(青木智則リポート)
「青木容疑者が中央署内から出てきました。フードをかぶっていて表情を読みとることはできません」

一瞬見えた男の表情。目を見開いているようにも見えます。警察官を含む男女4人が殺害された猟銃立てこもり事件。27日、青木政憲容疑者(31)が送検されました。

(仁科健吾リポート)
「まさにあのあたりで行われています。鑑識官が畑に入っていきます」

事件が起きた現場では、27日も現場検証が続けられました。

(現場検証に立ち会った人)
「落ちてましたね、薬きょう2つ。オレンジっぽい赤色でした。2つ落ちてました」

■事前に行動把握?計画的犯行か

通報に駆け付けた警察官に対し、猟銃を発砲し殺害した疑いで逮捕された青木容疑者。

(青木政憲容疑者)
「殺しました。撃ったことは間違いありません。被害者の女性に悪口を言われたと思って殺した。射殺されると思ったので駆けつけた警察官も殺した」

被害者の女性に「悪口を言われた」と思い犯行に及んだという趣旨の供述をしているということです。

殺害された村上幸枝さん(66)と竹内靖子さん(70)。なぜ2人が殺害されたのでしょうか。青木容疑者が、散歩が日課だった2人の行動を把握したうえで、計画的に襲った可能性も新たに浮上しました。

番組が独自に入手した、防犯カメラ映像。事件前日の午後4時半すぎ。大きく腕を振りながら歩く、グレーの上着の人と、その隣にやや小柄な、黒い上着の人の姿が映っていました。この防犯カメラは事件現場から直線距離でおよそ400メートル離れた場所にあります。警察もこの映像を押収。この2人について、付近の住人への聞き込みも踏まえ、殺害された村上さんと竹内さんとみて調べています。

さらに、事件の2日前の午後4時半すぎにも、同じような背格好の2人が会話をしながら歩くような姿が映っていました。しかし、事件当日の同じ時間には2人の姿は映っていませんでした。一体どういうことなのでしょうか?

近所の人によると、2人は毎日夕方、一緒に散歩をしていて、容疑者の自宅前も2人の散歩コースだったということです。

(近隣住民)
「毎日2人で散歩してたから顔はよく知ってますけど。毎日ですね。日課でしたね。田んぼを通り農道があるんですけど、そこがルートで、そこをまっすぐ行くと現場に出るから。時間帯はだいたい午後3時ごろ、ここを通るのが。現場に行くとだいたい4時過ぎになる」

近所の人たちへの取材から見えてきた被害者2人の普段の散歩コースです。午後3時ごろに2人の自宅がある地域から西側へと向かい、事件現場の前を通過するのが午後4時ごろ。防犯カメラに映るのは、毎日午後4時半すぎなので、村上さんと竹内さんの自宅方向への“帰り道”だったとみられます。

しかし事件当日の午後4時半すぎ。防犯カメラには2人の姿は映っていませんでした。警察によると村上さんが刺されたのが午後4時25分。そのころ2人は事件に巻き込まれていたのです。さらに、こんな証言も…

(近隣住民)
「大きな声で会話してるのを聞いてるから、2人がくればすぐ分かる」

散歩中の2人の会話から「悪口を言われた」と思い込み、犯行に及んだのでしょうか。

(村上さんを知る人)
「村上さんは人の悪口いうことはないんですよね。だからそういう形では恨まれるということはまずないと思います。楽しみたい、遊びたい、いろいろ行きたい、見たい、食べたいみたいなことはよくおっしゃっていました」

■新証言「猟銃突きつけパトカーと並走」

新たに2人の警察官が殺害されたときの状況も分かってきました。犠牲になった長野県警中野警察署の玉井良樹警部補(46)と池内卓夫巡査部長(61)。犯行の瞬間を目撃した男性は…

(警察官が襲われる瞬間を目撃した男性)
「青木容疑者が台車を押して来たのが見えてきたんですけど、何も持っていなかったと思ったら、猟銃を持っていたから…」
Q)いわゆる平べったい台車ですか?
「一輪車にタイヤが前で2本になっている、あれを押して来たんです」

青木容疑者は、村上さんを刃物で刺したあと現場を離れ、台車のようなものと一緒に現れたといいます。そこに通報を受けたパトカーが現場に到着します。そこで青木容疑者が取った行動は…

「パトカーが通り過ぎてから青木容疑者が猟銃を抱いて追いかけてきたから、それですぐ後ろで猟銃を突きつけて一緒に並走して走ってきて…」

青木容疑者は台車のようなもので運んでいた猟銃を取り出してパトカーを追いかけたといいます。

「運転席の横付きにいたっていうんだよね。それでもう本当に2、3秒後だね。ダーンとものすごい音がして、すぐまた2、3秒後にまたもう1発、ドーンです」

撃たれた警察官は2人とも死亡しました。

「クレー射撃で使うようなのじゃないかな。ニヤって笑っているような感じで、撃っていたような気がするんだけどね」

元埼玉県警捜査一課刑事の佐々木さんは…

(元刑事 佐々木成三さん)
「銃の危険性も良く熟知していて、どのような結果になるのか容易に予想できる状態で撃っている。数百メートル届くほどの距離を、直近で撃っているわけですから。それについては殺意は明確」

その後、青木容疑者は12時間にわたって、自宅に立てこもりました。

■「社長になりそう」2位 活発な一面も

青木容疑者はいったいどんな人物だったのか…

(青木容疑者を知る人)
「どんな人物って言われても…優しい子では間違いなかったんだけどね。怒るっていうか、キレるっていうのは見たことない。子どものころはそうだったし、素直な子だったよ」

これは番組が入手した中学校の卒業文集です。青木容疑者は「空が飛べそうな人」ランキングと、「社長になりそうな人」ランキングで第2位に。お笑いコンビになりそうな人にもランクインしています。

(青木容疑者が卒業文集に寄せた文章)
「この世の中で最も大切なものは『命』だと思います。では二番目は何かと問われたら私は間違いなく『金』と答えるでしょう」

「最も大切なものは命」と書いていた青木容疑者。中学時代は活発で、野球に打ち込んでいたといいます。分岐点となったのは大学時代。

(青木容疑者を知る人)
「大学で人付き合いがうまくいかなくて、じきに大学をやめて帰ってきた」

その後は、中野市議会議長も務める父親の正道さんが手がける事業を手伝い、青木容疑者の名前が付いた農園「マサノリ園」の運営や、人気ジェラート店の経営に携わっていたとされていますが…

(青木容疑者を知る人)
「マサノリ園とジェラートのお店は、青木容疑者が一応社長ってことになっている。でも仕事には一切関わっていなかったと思う。行けば必ず家にいたから。家にずっと引きこもっている」
「大学中退してからだな。村の祭りの保存会とか消防団も入ってたんだけど、だけど結局うつ病?みたいな感じでやめちゃったんだよ」

消防団や祭りの保存会にも参加していたといいますが、4~5年前にやめてしまったといいます。父親で中野市議会の青木正道議長は26日、議員を辞職。辞職願には一身上の都合と書かれていたそうです。

青木容疑者と亡くなった女性2人の間に関係性はあったのでしょうか。

(近隣住民)
Q)被害者の2人と容疑者との直接的な関係って?
「ぜったい100%ないと思いますよ」
Q)政憲容疑者のお母さんとの接点はあった?
「うん、教室に通ってたって話だからね。毎日じゃないと思いますけど。“花のアート”みたいなの。そこは通ってたのは村上さんだけだと思う」
(村上幸枝さんの知人)
「村上さんは青木容疑者の母親と友達だったので畑仕事を手伝ったり家に行ったりすることもありました」

容疑者の母親と村上さんは、複数の接点があった可能性があります。警察は青木容疑者が計画的に犯行に及んだとみていて、なぜ犯行に駆り立てたられたのか捜査を進めています。

サタデーステーション 5月27日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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