「やるやらないは自由だし自己責任」容疑者を直撃…暗号資産のマルチ商法で9人逮捕(2023年5月24日)
大学生らに「最高月収2億円」などとうたい、暗号資産をめぐるマルチ商法に、不正に勧誘していたとして、坂本昂洋容疑者（33）ら9人が逮捕されました。
「2400万円の車に乗って、東京タワーが見えるタワマンに住んでいます」そんな誘い文句のセミナーに参加した大半は、社会経験が浅い若者でした。
容疑者らの開いたセミナー：「今から参加する方は正直、得になります。100万円くらいなら楽勝で元取れる。皆さん参加して、自分が良いと思ったら人に教えて。『暗号通貨系って大丈夫？怖い。その会社ほんまに大丈夫？』ともし言われることがあったら、言ってあげてほしい『あなたが勤めている会社より絶対大丈夫』」
投資に勧誘する際、法令で定められた契約書類などを渡さず、契約解除はできないと、虚偽の説明をした疑いです。7億7000万円以上の金を約2500人から集めたとみられます。
SNSにも、被害を訴える声が…。アカウント名は『借金大学生』。その大学生（21）は今、バイトに明け暮れて、返済にあたっています。
被害に遭った大学生：「最初に140万円払ったら、それに応じた暗号資産がまずもらえるよと。プラス、人を紹介したらお金がもらえるよと言っていて」
この大学生が、華やかなタワーマンションの一室に出向いたのは、幼なじみを抜けさせるためだったのですが、状況は一変します。
被害に遭った大学生：「5人ぐらいの人に囲まれて『やる、やらへん』みたいな。脅迫というか脅し。買いますと言わざるを得ない状況」
幼なじみがやっていたのは、マーケットピークという会社の事業でした。本社はドバイとなっていて、CEOは外国人。独自の暗号資産『ピーク』を運用しているとあります。1万ドルを支払うと、20％上乗せしたピークが受け取れるとの説明でした。ピークの価値が上がれば大儲け。契約者を増やすごとに、数十万の報酬が入ると言われたそうです。
勧誘は7時間ほど続き、大学生はその場で、消費者金融3社から合わせて140万円の借金をさせられました。その後、クーリングオフを求め、幼なじみらと対峙した時の音声があります。
マーケットピーク側とのやり取り：「購入した瞬間からクーリングオフは厳しい。『ピークトークン』とか、会社のコインをもらい続けているので、できないことになっている」「契約書、書面がないって聞いたんですけど」「書面はない。全部web上」
クーリングオフには応じませんでした。
被害に遭った大学生：「結局、お金払わせるだけ払わせて、その後、何も音沙汰なく。人間不信というか」
暗号資産『ピーク』の価値は契約から7カ月経った今、2割以下になっています。
勧誘者のトップに近い立場の丸太勇剛容疑者（23）は…。
丸田容疑者：「元は取れている感じ。僕たちが全員の責任を持って、この事業をやっているとかではない。やるやらないは自由だし、やるなら自己責任ってことは、ちゃんと言っている」
丸太容疑者は、タワマン暮らしで、平日の昼間からジムで汗を流す生活を送っていました。
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