東京“19年ぶり”の真夏日 各地で季節外れの暑さ…救急隊員に聞く“熱中症”対処法(2023年5月17日)

東京“19年ぶり”の真夏日 各地で季節外れの暑さ…救急隊員に聞く“熱中症”対処法(2023年5月17日)

東京“19年ぶり”の真夏日 各地で季節外れの暑さ…救急隊員に聞く“熱中症”対処法(2023年5月17日)

17日も、各地で季節外れの暑さとなりました。岐阜県揖斐川町では、今年、全国で初めての“猛暑日”を観測。東海地方での5月の猛暑日は、統計を取り始めてから初めてのことです。

屋外で活動するには、危険な暑さとなりました。

群馬県桐生市では、64歳の男性が搬送されました。草むしりをしていて具合が悪くなったそうです。熱中症でした。

大阪府羽曳野市では、体育の授業中、小学6年の児童9人が体調不良を訴えました。3人が病院に搬送され、いずれも熱中症の疑いがあるといいます。体育では、20メートル走を繰り返す“シャトルラン”をしていたそうです。

福岡県久留米市の中学校では、体育祭の練習をしていたところ、複数の生徒が体調不良を訴えました。7人が、ドクターヘリなどで搬送されています。

福岡市の中学校では、体育会のリハーサルが行われていました。ほとんどの生徒がマスクを外し、学校としては、4年ぶりの声を出しての応援です。
中学3年生:「今の1年生から3年生まで、誰もコロナ禍前の体育会を知らない。マスクをつけているときよりも、声が響くようになった。表情とか良く見えるようになって、全員で一体感が出ている気がする」
中学3年生:「小学校も6年生最後の運動会も、コロナでなかった。率直に開催してもらえることがうれしい」

東京都も、今年、初めての真夏日。都心で5月中旬までに真夏日になるのは、19年ぶりのことです。

今年、初めて半袖を着た秋山文雄さん(76)。自宅でも暑さをしのぐ工夫をしているそうで、お邪魔させてもらいました。
秋山文雄さん:「これは、茣蓙(ござ)っていうんだよ。布団敷くでしょう、これを上に敷くわけ。涼しいよ。うちの母親がやってた対策。夏はいつもこれをやる」

例年なら、夏から茣蓙を敷きます。5月に、このスタイルは初めてのことだそうです。

熱中症での救急搬送は自宅からが最も多く、高齢者が半数以上を占めます。でも、秋山家のエアコンを見ると、コンセントが抜かれていました。
秋山文雄さん:「線を抜いている。節電のため。つけてたら電気使うっていうから。向こう(の部屋)も全部抜いてる」

年金で暮らす秋山さんが心配しているのは、夏の電気料金。大手7社は、来月からの値上げを発表。東京電力エリアの標準的な家庭では、月に900円近く上がる見通しです。
秋山さんの妻・令子さん:「(Q.値上げラッシュのなかで夏がくるが)困りますよね。皆さんどうするのか。我慢しなくてもいい方法があればいいんですけど」
秋山文雄さん:「しょうがない、物価が上がれば」

異例の暑さに頭を悩ませているのは、高齢者だけではありません。厳しい暑さから、どうやって子どもたちを守っていくのか。送迎バスでは、普段より早く準備を始めていました。
送迎バスのドライバー:「外気が35度あるので冷えない。透明ガラスなので、外から見えやすくなっている分、太陽で暑くなっちゃう。15分前から冷やさないと冷えない。コロナの影響が多少あるので、換気もしながら冷やしている」

園内でも冷房はフル稼働。今年初めてのことです。
慈照幼稚園の看護師・登坂陽花さん:「ホールには3台エアコンと、ここにも2つ扇風機がついていて、空気が回るようにしています」

さらに、こまめに水分補給を促します。
慈照幼稚園の看護師・登坂陽花さん:「エアコンだけだと厳しいと思うので、冷えピタをはったりとか、氷当ててみたりとかしながら、子どもたちは自分で言えない子も多かったりするので、普段の表情とどこが違うか注意して見るようにしている」

都内では17日、8人が熱中症の疑いで搬送されています。

鍛え抜いた消防隊員でも、意識して体を慣らさなければ、季節外れの暑さに追いつけません。桐生消防署では、熱中症対策のため、暑さに慣れる訓練を行っていました。防火衣を着て、酸素ボンベを背負って、フル装備で訓練を行います。
桐生消防署・丸山高広消防士長:「一般の方が、暑さに慣れるため、無理した環境にいると体調を崩す。多少、暑い環境のなかに身を置いてみて、少しの間でも体を慣れさせる。水分補給がすぐできる状態だとか、違う部屋を涼しくしておく。工夫しながら、暑さに身を置くことから始めてみるといい」

◆群馬県の桐生市消防本部にいる渡辺瑠海アナウンサーに聞きます。

私は、いま、通信司令室の前にいます。市内からかかってきた119番通報は、すべてここにつながるようになっています。5月の熱中症は、17日を含めて5件。統計を取り始めてから5月では最多だということです。5月の熱中症というのは、そもそも少なかったため、10年ほど前までは統計を取っていなかったということです。職員の方にお話をうかがったところ「この時期の熱中症も珍しく感じなくなってきた」と話していたのが印象的です。

※桐生市消防本部の救急救命士で隊員の教育係でもある高橋伸隆さんに聞きます。

(Q.暑さで体調が悪くなったと感じたらどうしたらいいのでしょうか)
かなり暑い場所で症状が出ますので、涼しい場所に移動すること。そして、ナトリウムを含んだ水分補給をするのがベストです。そのあと、衣服の締め付けがあれば、それを緩める。その後、しっかり冷却措置をする。特に首、脇の下、太ももの付け根など、太い血管があるところを冷却するのが効果的です。

(Q.自分ではなく、具合悪そうな人を見かけたらどうしたらいいでしょうか)
具合が悪い人も、基本的には暑い場所から涼しい場所に移動することがベストです。ナトリウムを含んだ水分補給や冷却措置もです。そういったなかで、熱中症だと嘔吐することも考えられますので、顔を横向きにしてあげることも必要です。あと、保冷剤や冷却パッドがある場合はいいのですが、手元にないときは、ペットボトルの水を、服の上からしっかりかけて、そのあとにタオルで仰ぐ。これだけでも冷却効果になります。衣服についた水が蒸発するときに、皮膚の表面からの気化熱でしっかり体温を奪ってくれます。水とタオルで身近にできる措置です。

(Q.高齢の方はエアコンを使わない人も多かったのですが、高齢の方はどのようなことに気をつければいいのでしょうか)
高齢の方は、暑さを感じづらかったり、喉の渇きを感じづらかったりします。年を取るごとに感覚機能が低下。そういう意味で、エアコンをつけません。そこで、重要になってくるのが、こまめに水分補給をすることです。しかし、ここで注意点があります。高齢の方で、冷蔵庫まで歩いて行って水が飲めないときなどは、身近にいる人がしっかりと水分補給のサポートをしてあげる。これが熱中症を防ぐ非常に大切なことだと思います。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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