上皇ご夫妻4年ぶりの地方訪問 京都に“私的な旅行”美智子さまの思い(2023年5月15日)
上皇ご夫妻が私的な旅行で京都を訪れています。公の場に姿を見せられるのは一般参賀以来となります。4年ぶりとなる地方訪問で京都を選ばれた理由とは。
■上皇ご夫妻4年ぶりの地方訪問
お2人が選んだのは“京都”です。京都・大聖寺。皇室ともゆかりのある場所です。上皇ご夫妻がご覧になったのは、現存する“最古”といわれる大礼服。明治天皇の皇后・昭憲皇太后が着用されたものです。上皇后さまは「すごくきれいで、修復はとても細かくて大切に時間をかけてやって(修復して)大変でしたでしょ」と、おっしゃられたそうです。
上皇ご夫妻が京都の地を訪れたのは14日のこと。特別編成の新幹線で到着されました。退位後初の“私的なご旅行”。なぜ京都だったのでしょうか。
■なぜ京都に? 皇室の専門家は
皇室解説者・山下晋司氏:「東京に明治天皇が移られてからは150年しか経っていないが、京都にはその前に1000年以上いらっしゃった。コロナが収束しつつある世の中をご覧になりながら、父祖の地を訪ねる」
そもそも“私的なご旅行”とはどんなもので、いつ始まったのでしょうか。
皇室解説者・山下晋司氏:「上皇、上皇后両陛下に関する旅費・宿泊費はプライベートマネー。聞いている限りでは、側近からの提案。昭和天皇も79歳になってから私的なご旅行もされているし、そういうのは年に1、2回いいんじゃないですかと」
昭和天皇が箱根に“私的なご旅行”をされたのは1980年のこと。ご自身で植えられた“ヒノキ”と再会しました。
山下さんによると、公務とは、基本的にイベントの主催者などから依頼があってそれに応えるもの。私的なご旅行とは、側近などの提案を受け、自分達で行き先を決め、私費で行われるものだということです。
■“私的な旅行”美智子さまの思い
上皇ご夫妻が初めて“私的なご旅行”に行かれたのは2013年。まだ在位中のことでした。長野県千曲市を訪れ、アンズ園の散策を楽しまれました。お2人の希望に沿って訪問先を決める、初めての旅行でした。
栃木県ではトロッコ列車に初めて乗り、新緑をご覧になりました。美智子さまにとっては、終戦直後に訪れたゆかりの地です。長野県では、リンゴの収穫をした中学生とこんな触れ合いも…。
リンゴを手渡した中学生:「『そのリンゴを取って下さい』と言われたので取ってお渡しした。『赤くて大きなリンゴですね』というふうに優しく言って下さったので、とてもうれしかった」
自然や歴史、そして人々とのふれあいを楽しむ私的な旅行。今回は、少し“異例”です。
■皇室の専門家「ちょっと驚いた」
栃木を訪問された際は、あいにくの雨にもかかわらず、この人だかり。こうした国民の姿こそが、“私的なご旅行”に込められたものではないかと話します。
皇室解説者・山下晋司氏:「ご自分たちの存在、姿を一般の人が喜ぶ、一般の人が喜ぶことがお2人の喜び・励みになる。相互の関係だと思う」
退位され4年。89歳になられた上皇さま。88歳になられた上皇后さま。今回は、4泊5日の旅路です。
皇室解説者・山下晋司氏:「ちょっと驚いた、長いなと。裏を返せば、それだけご体調は大丈夫ということ」
■上皇ご夫妻 16日「葵祭」へ
上皇ご夫妻が訪れる予定だったのが、1500年の歴史を持つ京都3大祭りの一つ「葵祭」です。ところが…。15日は神事「社頭の儀」は行われたものの、街を練り歩く「路頭の儀」は雨で16日に延期となりました。
■“葵祭”延期で名菓にも影響
京都御所近くの和菓子店。上皇ご夫妻も訪問される予定の「葵祭」の行列が延期となり、影響が出ていました。祭りに合わせて売られているのが、見た目も美しい「王朝花笠」です。中は白あんがたっぷり。祭りで使われる風流傘を職人が表現しました。
鶴屋吉信企画部・岡本光浩部長:「あすに順延となってしまったが、お菓子については本日いっぱい(で終了)になる」
仕入れなどの問題から、祭りが延期になっても販売は延長しないといいます。
■昭和天皇にも愛された一品が
創業220年の老舗。皇室とは縁がありました。果汁たっぷりの柚子と最高級のもち米を使った「柚餅」は昭和天皇も愛された自慢の一品。当時、職人一同、身を清め対応にあたったといいます。限定の和菓子の販売は叶わなくなりましたが、「葵祭」の盛り上がりを店は期待しています。
鶴屋吉信企画部・岡本光浩部長:「上皇ご夫妻も思い入れがあってスケジュールに入れられたと思う。無事、滞りなく行列が出発到着することを願っている」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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