秘湯女将「やめない」 客激減も亡き夫の“夢”をいまも全力応援(2022年1月24日)

秘湯女将「やめない」 客激減も亡き夫の“夢”をいまも全力応援(2022年1月24日)

秘湯女将「やめない」 客激減も亡き夫の“夢”をいまも全力応援(2022年1月24日)

 新型コロナウイルスには負けない。亡き夫が掘り当てた温泉を守り抜く女将の覚悟とは。

 群馬県高崎市にある「倉渕温泉 長寿の湯」の女将・川崎節子さん(76)。

 この宿もオミクロン株の拡大で再び逆風にさらされています。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「暮れから正月にかけてはすごく忙しかったんですけどね」

 コロナ禍で収入が3分の1にまで落ち込んだ温泉宿。今は日帰り温泉が生命線です。

 71歳・男性:「皆が仕事している時に風呂入れるというのは一番最高」

 週1回来るという常連さん。

 31年前、節子さんは夫とともに、この宿を始めました。ところが・・・。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「おととしの9月に肝臓がんで、本当に苦しまないで天国に逝きました」

 46年間、連れ添った伴侶をコロナ禍に失ったのです。

 実はこの温泉は、地質調査会社を経営していた夫が発見したといいます。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「ここの雪が早く溶けるということで、温泉が出るかもしれないと」

 なんと、約3年の歳月をかけて源泉を掘り当てました。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「民宿を経営したいというのは主人の夢だったんです。それから私の苦労が始まりました」

 多額の借金を返すため、苦労が絶えなかったといいます。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「夫婦なんて不思議ですよ、揺れるぐらい大きなけんかをしたんだけど、亡くなると・・・46年一緒にいられたということは嫌いじゃなかったんだね」

 夫が発見した温泉は、今では“上州の秘湯”として知られるようになっています。

 女性客:「とにかくツルツルするよね」「お湯は最高ですよ」

 節子さんは現在、一人暮らし。亡き夫に一日の報告をするのが日課です。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「頑張るからねって。まだそばにいるみたいな感じです」

 夫婦が守り続けてきた温泉。きょうも誰かを温めると信じて営業を続けます。

 倉渕温泉 長寿の湯、女将・川崎節子さん:「苦労を知っていますから、簡単にはやめますとは言えないですよね。自分で守り切るところは守っていかなきゃいけないな」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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