ロシア軍機が墜落 ヘリと戦闘機 ウクライナメディア「撃墜された可能性」(2023年5月14日)

ロシア軍機が墜落 ヘリと戦闘機 ウクライナメディア「撃墜された可能性」(2023年5月14日)

ロシア軍機が墜落 ヘリと戦闘機 ウクライナメディア「撃墜された可能性」(2023年5月14日)

 ロシア西部でロシア軍の戦闘機など4機が墜落し、何者かに撃墜されたとの見方も出ています。こうしたなか、ウクライナ東部のルハンシク州では、イギリスが供与したばかりの長距離ミサイルが使われたとみられます。今後、始まるとされているウクライナの大規模な反転攻勢と何か関係があるのでしょうか。

■ロシア軍機が墜落 ヘリと戦闘機

 モクモクと立ち上がる黒煙。タス通信はロシア国内でロシア軍機が墜落したと報じています。

 ロシアの独立系メディアによりますと、墜落したのはウクライナと国境を接するロシア西部のブリャンスク州クリンツィで、ロシア軍の戦闘爆撃機「スホイ34」と戦闘機「スホイ35」、それにヘリコプター2機が墜落し、搭乗員9人全員が死亡しました。4機はウクライナでの攻撃に参加する予定だったということです。

 一体、なぜ墜落したのでしょうか。ウクライナのポドリャク大統領府顧問はツイッターで「ロシア軍機は『正体不明の人物』によって壊滅させられた」と語っています。また、ウクライナメディアは、墜落したヘリコプターには「対空ミサイルの断頭に特徴的な穴が多数開いている」として「撃墜された可能性がある」と報じています。

 しかし、これまでのところロシア、ウクライナの当局からは墜落に関する発表はなく、詳しい原因は分かっていません。

■ルハンシク州で複数の爆発が

 ロシア・ブリャンスク州では今月、2日連続で鉄道の線路が爆破され、貨物列車が脱線する事件が起きています。一方、同じ日、ロシアが一方的に併合を宣言して占拠しているウクライナ東部の都市ルハンシクでも複数回の爆発が起きていました。

 住居が爆風の被害に遭った女性:「大きな爆発音がした後、窓が割れ、ガラスの破片やドアも飛びました。私は子どもの体を覆いました」

 両親の家に逃げようとした女性:「恐怖のなか、私の子どもは走りながら『ミサイルから逃げて』と叫んでいました」

 近く大規模な反転攻勢に乗り出す構えを示しているウクライナの攻撃が始まったのでしょうか。

 ロシア国防省報道官:「イギリスがキエフ政権に供与したストームシャドーを使用した攻撃で、民間施設をターゲットにしないとするロンドンの主張に反したものだった。この攻撃の結果、ルハンシクの工場などで火災が発生。近くの住宅地も破壊され、子ども6人を含む民間人が負傷した」

■長距離ミサイル「ストームシャドー」

 ロシア国防省はウクライナが攻撃に「ストームシャドー」を使ったと主張しました。爆発の残骸とみられるものにもストームシャドーと刻印されていました。

 ストームシャドーとはイギリスとフランスが共同開発したミサイルで、イギリスのウォレス国防相は11日、長距離巡航ミサイル「ストームシャドー」を供与したと発表しました。ストームシャドーはステルス性能が高く、射程は250キロを超え、イギリスメディアは供与するにあたってウクライナがストームシャドーを使い、ロシア国内を攻撃しないことを約束したと報じています。

 アメリカがこれまでウクライナに供与していた高機動ロケット砲システム「ハイマース」の射程約80キロを大幅に上回ります。今回ウクライナはストームシャドーを使ったのでしょうか。

■反転攻勢と関連は?専門家が分析

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄室長:「ルハンシクは東部戦線の後方拠点。ハイマースでは攻撃が難しかった。より射程の長いストームシャドーで攻撃をしたことが考えられる」

 さらに、高橋氏はストームシャドーが今後のウクライナの大規模な反転攻勢の鍵を握るといいます。

 防衛省防衛研究所・高橋杉雄室長:「反転攻勢を行ううえでロシア軍の後方の司令部や弾薬庫を攻撃するのは必要だから、ハイマースより深い所を攻撃できるとなると、ストームシャドーの実践投入によってウクライナ側の反攻が成功する可能性が高くなる」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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