【トルコ大地震から3か月】“有害物質”出すがれき…避難場所のそばに 政府の対応に怒り強まる

【トルコ大地震から3か月】“有害物質”出すがれき…避難場所のそばに  政府の対応に怒り強まる

【トルコ大地震から3か月】“有害物質”出すがれき…避難場所のそばに 政府の対応に怒り強まる

今年2月の大地震で甚大な被害を受けたトルコ南部ハタイ県で、がれきの処理をめぐり問題が起きています。有害物質を出す建材が、避難者が住む場所の近くなどに一緒に投棄されているのです。さらに、被災地での救助の遅れなど政府の対応に不満をもつ人は多く、エルドアン大統領への人々の怒りが強まっています。

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トルコ南部のハタイ県は、今年2月の大地震で甚大な被害を受けた場所です。地震から3か月たった今も、壊れた建物がそのままになっています。

地震によって建物が崩れ、発生したがれきの山…。今、トルコではこのがれきの処理をめぐり、ある問題が起きているといいます。調査している弁護士のエジェビットさんに案内してもらいました。

不法投棄の調査を行うエジェビット弁護士
「道のあんな遠いところからここまでがれきが投棄されました。今も投棄され続けています」

がれきが辺り一面に積まれていました。(トルコの)法律により、アスベストなどの有害物質を出す建材は分別され、住宅地から離れた場所に保管されなければいけませんが、すべて一緒に捨てられています。

テント生活を続ける避難者のすぐそばでも、有害物質を含むおそれのあるがれきの処理が行われていました。

避難者
「(政府は)がれきを別のところに持っていくと言っていますが、(がれきは)増えていくばかりです。がれきの山の毒のせいで死んでしまうかもしれません」

エジェビット弁護士らが調査したところによると、こうしたずさんながれきの処理は、ハタイ県だけで18か所も見つかりました。

地元の医師は、住民への健康被害に警鐘を鳴らしています。

地元医師
「すでに『目の充血』『アレルギー』『呼吸困難』などを訴えている人がいます。今後『がんの原因』にもなり得ます」

今年4月には、「がれきをなんとかしろ! 生活を守れ!」と住民による抗議活動も行われていますが、政府は「がれきの処理は適切に行われている」として、処理を急ぐ方針です。

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政府の対応に不満をもっている人は、ほかにもいました。ハタイ県出身のヤームルさんです。

トルコ・ハタイ県出身のヤームルさん
「(がれきの中から拾い上げ)これは姉の使っていた化粧ポーチです」

姉のエスラさん一家6人が、地震で倒壊した建物の下敷きになり亡くなりました。地震発生直後には、崩れた建物の中から助けを求める声も聞こえていたといいますが――

トルコ・ハタイ県出身のヤームルさん
「地震から4日目に救助隊がやってきました。それまで誰も来てくれませんでした。救助隊が来るのが早かったら(家族は)助かっていたかもしれません」

ヤームルさんだけでなく、多くの被災地で救助の遅れを指摘する声が上がり、政府への不満が大きなうねりになっています。こうした状況に、強権的な政治を長年続けてきたエルドアン大統領も、「インフラが破壊されたことなどから、(地震発生から)最初の数日、被災地で救助や支援活動が展開できなかった。被災地の人々に赦(ゆる)しを請いたい」と述べました。

トルコ・ハタイ県出身のヤームルさん
「彼(エルドアン大統領)の言動には怒りしかありません。野党統一候補に投票します。20年間、何もしていない政府には期待できません」

被災地の怒りの声が政権交代につながるのか。20年続いたエルドアン政権への審判は、14日に投開票を迎えます。
(2023年5月12日放送「news every.」より)

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