「偽ブランド品」フリマ被害 100万円“ロレックス”も…“摘発最前線”カメラが潜入(2023年4月27日)
今、フリマサイトやネットショッピングの拡大で、偽ブランド品を購入する人が急増。その実態を取り締まる最前線を取材しました。
■フリマ被害…100万円“ロレックス”も
24日、ラルフローレンなどの偽物の帽子をネットオークションで販売したとして逮捕された47歳の男。警察によると、男の自宅からは偽ブランド品の帽子が435個見つかっていて、男は2020年から500万円以上を売り上げていたとみられます。
新型コロナの拡大をきっかけに、オンライン購入が増えたことで、海外から送られてきた「偽ブランド品」が流通するケースが増加しています。
“ロレックス”を購入 偽ブランド品被害者:「本当に悲しくて、ショックでしたね。許せないですね。人の信じる気持ちを踏みにじるというか」
この女性は、去年12月にフリマサイトで高級時計・ロレックスを購入したといいます。
偽ブランド品被害者:「ロレックスのサブマリーナーというブルーのものを購入しました。シリアルカードみたいなのも写真でくれたりもしたので。本物かなと、勘違いしちゃいました」
シリアルカードや箱などの付属品もしっかりとした作りだったため、ためらうことなく購入したという女性。そのお値段は、なんと100万円。しかし、その後、売却を考え、訪れたブランド品買取店で思いもよらない言葉を掛けられます。
偽ブランド品被害者:「『当社では取り扱いができません』という言い方をされて」
なんと偽物の可能性が高いため、買い取ることはできないと言われたのです。
偽ブランド品被害者:「100万円あれば、何ができたみたいな気持ちが、やっぱりすごく大きい」
さらに、ルイ・ヴィトンの財布を購入した別の女性は、次のように話します。
“ルイ・ヴィトン”の財布を購入 偽ブランド品被害者:「結構慎重なタイプなので、何でも質問してから買うんですけど、(出品者からの)返答スピードも早かったですし」
購入前のやり取りで、所々違和感のある日本語だったといいますが、返答がスムーズだったこともあり、気にせず商品を購入。しかし…。
偽ブランド品被害者:「開封をして箱を持った瞬間にアレ?って思いまして。(財布が入っていた)布袋を見た段階でも、えっ?ってなって」
すぐさま、フリマサイトの運営者に通報。返金はされたものの、商品の出品者は、最後まで偽物だと認めることはなかったといいます。
偽ブランド品被害者:「中身を見て、コピーだってすぐ分かりました。ああやっちゃったなって」
フリマサイト大手「メルカリ」は万が一、届いた商品が偽ブランド品の可能性がある場合には調査を行い、条件に当てはまった場合には、商品代金を補償しているといいます。
■摘発最前線…“ロゴ逆”“日本語ミス”
物品のオンライン購入が広がるにつれ、増加している海外からの「偽ブランド品」。今回、カメラは違法輸入品・摘発の最前線に潜入しました。
海外から日本に来る荷物の大半を検査している「横浜税関」。コンテナが到着し、荷物を手際よく運んでいく作業員。荷物はこの後、検査場へ移っていきます。
職員の真剣まなざし。追加の検査に掛ける荷物を瞬時に判断し、疑わしいものは開封して検査をするといいます。
税関職員:「画像を見て、中身を確認する必要があるかどうか確認しています」
職員が目を光らせていると…。
税関職員:「これも、模倣品の疑いが強いです」
一見、有名ブランド、ルイ・ヴィトンのポーチに見えます。
税関職員:「天地方向に正しいLVがつくと思うんですけど、こっち逆ですもんね」「(Q.これも正規品ではない?)模倣品の疑いが強い」
よく見ると、ブランドのロゴマークが上下逆さの状態でプリントされています。
偽ブランド品には、ロゴが逆さのものだけではなく、タグが明らかに不自然なものもあります。
税関職員:「日本語の誤植があるので、やはり侵害品(偽物)の可能性が高い。専門業者の『業』が、葉っぱの『葉』ですね」
「専門業者」と書きたかったのだろうか、製品のタグに明らかに不自然な日本語が書かれていました。
去年10月の「関税法改正」で、こうした偽ブランド品の輸入はより明確な処分が下されることになりました。
税関職員:「(関税法)の改正以降は、個人使用であっても、海外の事業者から送られてくる貨物につきましては、取り締まりの対象となったところです」
■肉眼では“判別困難”…ポイントは?
都内の中古ブランド品買い取り・販売会社。利用者からの買い取り希望商品の中に、「偽ブランド品」が紛れていることが増えているといいます。
株式会社RECLO 森川賞一鑑定士:「(Q.コロナ禍で変わったことは?)フリマアプリもはやってきているので、そういったところで(偽物と知らずに)買われてしまう方が、すごい多いかなと思います」
この会社では、専属の鑑定士が一点一点「真贋鑑定」を行ったうえで販売していますが、プロの鑑定士でも肉眼では判断が難しいケースもあるといいます。
森川鑑定士:「こちらが本物のお品物で、こちらが本物ではないお品物。一見ほとんど分からない。一つのポイントとしましては、ここのステッチの縫い合わせの部分。糸のつくりや縫製の角度が、本当に細かいところで違いを見付けていくしかないってレベルまで来ている状態」
一目見ただけでは本物との違いが見当たらないこのバッグ。偽物のほうは「縫い目の幅」が一定ではなく、わずかに右に傾いているのが分かります。
近年、このような巧妙化したコピー品が急増しているといいます。そして、このバッグも…。
森川鑑定士:「こちらが、ブランドがシャネルなんですけども。パッと見、本物に見えるんですけど、細かい金具の部分だったりとか、そういった部分で最後の仕上げですよね。ちょっと詰められていないというか」
つくりが精巧なため、バッグの外側を見ただけでは判断が難しく、内側の金具の表面を見る必要があるといいます。
本物の金具の表面はなめらかですが、偽物は表面に白い線のようなものが浮いています。
巧妙に消費者の目を欺く偽ブランド品。今、新たな「偽物」が急増。その商品とは…。
■「偽物輸出品」急増…“ニセ医薬品”も
知的財産の侵害を理由に、税関で差し止められた偽のブランド品などは2万6942件で、3年連続で2万5000件を超える高止まりの状態となっています。
偽ブランドを品目別に見ると、これまでは衣類や電気製品、バッグ類が多かったのですが、去年、最も多かったのが偽の医薬品です。
おととしの9位から急増していることが分かります。輸入が差し止められた医薬品は、前の年のおよそ7倍です。
偽の医薬品は「ED治療薬」が大半を占め、過去には「ダイエット薬」もありました。
財務省の知的財産調査室は「偽物の医薬品は健康や安全に危険を及ぼす可能性があり、注意が必要」だとしています。
(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年4月27日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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