スーダン“バイオハザード”危機 WHOが警告 コレラ菌保管所“占拠”(2023年4月26日)

スーダン“バイオハザード”危機 WHOが警告 コレラ菌保管所“占拠”(2023年4月26日)

スーダン“バイオハザード”危機 WHOが警告 コレラ菌保管所“占拠”(2023年4月26日)

 戦闘が続くスーダンで「新たな危機」が起きています。WHO(世界保健機関)はコレラなどの病原菌を保管する研究所が占拠されたと明らかにし、「バイオハザード」のリスクが高まったと警告しています。

■スーダン“バイオハザード”危機

 停戦中の25日、首都ハルツーム近郊の都市で医療センターが砲弾2発に襲われました。

 医療センター関係者:「(建物の)真ん中で爆発が起きた。座席に座っていた患者はひざから下を負傷し、血を流した」

 妊婦を含む少なくとも20人がけがをしたといいます。スーダン国軍と民兵組織RSFの激しい戦闘が続くスーダンでいま、「バイオハザード」=「生物災害」のリスクが高まっています。

 ロイター通信などによりますと、WHOが首都ハルツームにある国立公衆衛生研究所がスーダン国軍、もしくは民兵組織のどちらかによって技術者全員が追い出され、事実上占拠されたと公表しました。衛星地図をみると、周囲には大学や政府の研究施設などがあるエリアです。近くには政府の中枢機関が集まっています。

 この研究所には、コレラやはしかなどの病原菌が保管されています。WHOは停電が起きていて「病原菌が外部に流出するリスクが高い」と警告しています。

 WHOスーダン代表、ニナ・サイード・アビド博士:「停電とこれらの物質を扱う専門家がいないことで、ハルツームではバイオハザードの危険が高まっています」

 CNNは占拠したのは民兵組織RSFだと伝えてます。

 CNNキャスター:「RSFは、はしかやポリオやコレラなどの病原菌株を扱うラボを占拠しました。関係者は安全管理ができなくなったと警告。また、細菌爆弾として使用される可能性があるともしています」

■陸路で30時間移動 “緊迫の舞台裏”

 そんなスーダンから、無事退避することが出来た日本人。現地で医療支援を行っていた川原さんにとって、緊迫の“脱出劇”は疲労と睡魔との戦いだったといいます。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「『夜10時くらいに参加させて下さい』と報告したけど、『午前4時集合』と言われ、それから準備をした。結局、寝れたのは1時間程」

 スタッフ2人の他、1歳と3歳の子どもと母親の親子を車に乗せ、23日、国連の車列とともに800キロ以上先の港湾都市ポートスーダンに向け、出発しました。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「国軍側が支配する地域はミリタリー(軍)が先導してくれるが、RSF(民兵組織)側の支配地域へ行くと、どこかで(RSFに)変わったと思う」

 途中、国軍と民兵組織の支配地域がまだら模様になっていて、その都度、交渉していたといいます。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「全然食べていなかったので、食事取ろうかと。ここの街だと食事取れると思い食事をオーダーしたところで、一休みできると思ったら、その時の兵士は国軍だと思うが(その兵士が)危険な情報を察知した。すぐに立ち去るから車に乗れと。それはもう緊張が走りました」

 退避ルートは明かされていませんが最短ルートの道をみると、辺りは一面の砂漠。また、岩山を縫うように走る箇所もあります。夜通しで車を走らせ、ポートスーダンに到着したのはおよそ30時間後の事でした。川原さんはスーダンに平和が戻れば、再びスーダンに戻り、復興を手伝いたいといいます。

 認定NPO法人ロシナンテス・川原尚行理事長:「ほれたスーダンの人たちですから、スーダンの印象が悪くなるのは嫌なので、軍の組織がやっているだけでスーダンの人は素晴らしいので、彼らと一緒に頑張っていきたい」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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