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カモメの鳴き声コンテスト ベルギーで開催…背景に“人とカモメの関係巡る”深いワケ(2023年4月26日)
ベルギーの港町で行われたイベント、その名も“カモメの鳴き声コンテスト”。そのユニークさの裏に深い理由があった。主催者に話を聞いた。
■審査基準は“鳴き声・しぐさ” 優勝者は?
ベルギーにある港町、デ・パンネで23日に行われたのは、“カモメの鳴き声コンテスト”。ベルギー、オランダ、フランスなど、ヨーロッパ各国から、およそ50人が参加した。
出場者は、カモメになりきって鳴き声を競い合う。中には、衣装をまとった参加者もいる。
審査基準は、鳴き声が似ているかが75%、残りの25%が、しぐさがどれだけ似ているかで競われる。
25日、コンテストの主催者に話を聞いた。
フランダース海洋研究所 ヤン・セイス博士:「正しい音の高さで鳴いているか。また、色々な種類の鳴き声で表現されているかがポイントです」
熾烈(しれつ)な“鳴きあい”の中、見事、優勝したのはオランダから参加した学生で、金メダルと地元の名産品が贈られた。
大会優勝者:「まだ驚いていますが、優勝できてうれしいです」
■ネガティブなイメージを払拭するため開催
今回で3回目となった“カモメの鳴き声コンテスト”。その開催の裏には、“人とカモメの関係を巡る”深いワケがあった。
セイス博士:「ヨーロッパで、は多くの人がカモメに悩まされているよ。時にカモメの鳴き声は騒音となり、また人を襲うなど、攻撃的なものまでいます。人間が食べるサンドイッチやアイスクリームを盗んだりね」
実は、ヨーロッパでは、カモメが嫌われ者になっているという。
街では、ゴミを荒らすカモメがいたり、中には、人を襲うカモメも…。
主催者のセイス博士は、カモメに対するネガティブなイメージを払拭するため、コンテストを開催。他にも、カモメの生態を知ってもらう取り組みを行っている。
セイス博士:「将来的には、世界コンテストを開催するつもりです。もちろん、日本からの参加も歓迎しますよ」
■カモメ被害相次ぐ…“避妊薬対策”賛否分かれる
このイベントの背景には、深刻な理由があった。
今回の鳴き声コンテストを主催したベルギーのフランダース海洋研究所によると、ヨーロッパ各地で、カモメによる被害が報告されていて、主なものとして「食べ物を奪う」「ゴミ箱をあさる」「鳴き声などの騒音」、そして「フン害」や場合によっては「人をつつく」こともあるそうだ。
こうしたなか、対策が求められているが、カモメは「野鳥指令」というEU(ヨーロッパ連合)の法律で保護されていて、殺処分ができないそうだ。
そのため、ベルギー沿岸の町・ブランケンベルヘでは、「カモメに経口避妊薬を与えて個体数の自然な減少を促す」という試みを行っているそうだが、これには賛否が分かれているようだ。
セイス博士は、「悪いのは不用意に餌(え)付けをする人間で、カモメは悪くない。避妊薬対策には反対で、カモメ自体にではなく、人々にファストフードなどのゴミを出させないように促している」と話している。
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年4月26日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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