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【報ステ解説】「破壊行動で一気に存在感を」参院選めぐり国を“本人訴訟”総理襲撃(2023年4月18日)
岸田総理に爆発物を投げ付けた、木村隆二容疑者(24)が去年、年齢などを理由に参議院選挙に立候補できなかったのは憲法違反だとして、国を訴えていたことが明らかになりました。
木村容疑者が訴訟を起こしたのは去年6月。7月に安倍元総理銃撃事件が起きるなか、9月には地元の兵庫・川西市の市政報告会に参加しています。この場で、自民党の大串議員に、現行の被選挙権について長い間、質問を繰り返したとみられています。
11月に、神戸地裁は訴えを棄却。木村容疑者は判決を不服として、大阪高裁に控訴しています。来月に、この控訴審の判決が出る予定でしたが、その前に岸田総理を襲撃しました。
裁判で闘い続けながら一転、事件を引き起こした木村容疑者。その胸中にはいったい何があったのでしょうか。1万人を超える犯罪者の心理分析を行ってきた、東京未来大学こども心理学部長・出口保行さんに聞きます。
(Q.木村容疑者はどんな人物だとみますか)
出口保行さん:「何か人にアピールしたいという強い欲求を持っていたと思います。ところが、適切な手段がなく、誰でも権利がある裁判という手段で、自分の存在感をアピールしていったのだろうと思います。その背景にあるのは、承認欲求や自己顕示欲求といった、自分が認められたい欲求があったと思います」
(Q.法律の専門家によりますと、木村容疑者が用意した、裁判に必要な準備書類は、かなりきちんと作っていたようです。ここまでの準備をするのも、強い自己顕示欲の表れですか)
出口保行さん:「正当な手続きをきちんと踏んで、これだけの文章が書けるんだと、世の中に知らしめることは、本人にとって非常に強い快感になります。こうした準備をしつつ、書類の中に、岸田総理や安倍元総理の名前を入れていく。そうすると、私は天下国家・総理を相手にしています、自分は大きな人間なんですと。心理学では“自我肥大感”と言いますが、自分がとても大きな存在になったような気持ちになります。そのなかで自己陶酔していったプロセスが見て取れます」
(Q.裁判所や国会議員に自分の考えを訴えた後、なぜ、一気に犯罪を起こすまでになったのでしょうか)
出口保行さん:「かなり飛躍しているように見えますが、裁判などを通して自分をアピールしていこうと思ったが、本人が思った以上に、自分をアピールすることができていませんでした。他の人に取り上げられている訳でもなく、マスコミに報道される訳でもない。裁判にも負けているなかで『このプロセスを辿っていても、自分をアピールできない』という思いを強く持っていたのだと思います。では何をするのか。他の事件も参考にしながら、破壊的な行動をすることで、自分の存在を一気に認めさせようとする手段に出たのではないかと思います」
(Q.身柄確保時の表情には、達成感があるようには見えませんでした。事件を起こして自分の存在を認めさせようとしたとすると、どのような心境だったと考えますか)
出口保行さん:「その場面で、本人は非常に落ち着いていたと言えます。なぜ落ち着いていたかというと、逮捕されて取り押さえられるところまで、本人のなかで織り込み済みだったと。倒されて、押さえつけられている時に、自分が起こした現象が、世の中・現場でどうなっているのかを、落ち着きながら観察していたと思います」
(Q.逮捕も織り込み済みだったとすると“劇場型の犯罪”という側面もあり得ますか)
出口保行さん:「もちろん、そうです。どういうように事件が発展していくのか。結果がどうやってメディアなどに取り上げられるのか。自分が脚色する通りに進んでいるかどうか。本人にしてみれば、非常に楽しみだった部分もあると思います」
(Q.我々の取材では、木村容疑者は、小学生時代は『明るくポジティブ』、中学生時代は『いじめにあい、暗く』、その後について『高校・大学進学知らない』という証言がありました。断片的な事実ですが、木村容疑者の人間形成にどう影響したと考えますか)
出口保行さん:「多分、小学校の頃まではごく普通のお子さんだったと思います。その後、思春期に入って、自分の存在を、集団・社会のなかで、どうやって認めてもらうことができるのかという、大きな葛藤が生じます。その葛藤を乗り越えるなかで、自分がどういう人間かを知っていく訳です。木村容疑者の場合は、中学校・高校という思春期のなかで、どうやって社会に自分を認めてもらうのか学習しきれなかったのだろうと思います。だから、中学校からの10年間に発散できなかった鬱憤(うっぷん)のようなものが、ずっと溜まっていって、爆発したのが今回の事件だったように見えます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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