GW旅行先トレンド『大都市回帰』で懸念は“オーバーツーリズム”(2023年4月12日)
最大9連休となる今年のゴールデンウィーク。すでに観光地はにぎわっています。
東京都内の観光地では、海外からの方たちが目立ちます。コロナで中止した日本旅行を、やっと実現させた観光客が多くいました。
オーストラリアからの観光客:「コロナで2年間、延期になっていましたが、息子の日本文化への関心は変わらず、日本語も勉強していたので、約束を果たしたくて」
アメリカからの観光客:「コロナ禍、YouTubeでたくさん配信されていた。原宿のクレープは有名なのでトライしたくて」
楽天は、ゴールデンウィークの人気の旅行先として、どこに人が集まるのかを発表。今年のゴールデンウィークの傾向は“大都市回帰”だといいます。
楽天トラベルPR推進室・樋口詩織さん:「特に東京・大阪は昨年からの上昇率でも上位で、イベントに参加する方や、さまざまな目的で旅行されている方が増えている。少しずつコロナの生活も落ち着いているので、密を避けたい方もいらっしゃったと思います。そういった方も少しずつ旅行に出かけていると考えています」
実際に地方で聞いてみました。
新潟市民:「ここ数年は、隣県しか行けてなかったので、飛行機を使って行くようなとことか行きたい。大阪とかそっち方面は、数年行けてなかったので行きたい」
新潟市民:「首都圏に行きたいです。(Q.どうして首都圏に)いっぱい遊ぶ場所があるので」
混雑する東京。いま、こんな意外なところまで、海外からの観光客の姿があります。新宿区にある銭湯です。
フランスからの観光客:「丸一日、歩いて、渋谷・新宿の公園を見て回りました。検索したらこの銭湯が良さそうでした」
万年湯店主・武田信玄さん:「(Q.靴を履いたまま入店する人が)しょっちゅうです。文化の違いですから。(Q.外国人が増えてきましたが、大変ですか)ありがたい話ですけど」
大阪の観光地・道頓堀。たくさんの外国人の観光客でにぎわっています。
香港からの観光客:(Q.なぜ日本を渡航先に)他の国は高いし、日本が大好きだから。楽しいし、やれることもいっぱいある」
市内の道路脇に並んでいるのは、外国人観光客を迎えに来た観光バスです。そのなかの一つ、『日本城タクシー』の運転手は、こう話します。
日本城タクシーの運転手:「コロナ前と同じくらいになってきている。忙しいです」
外国人観光客の増加で運転手の確保が追い付かず、対応が間に合わないといいます。
日本城タクシー・坂本篤紀社長:「(Q.どういったお客さんが多い)さまざまな国から来てるよね。日本が安いから、買い物に来るみたいなんで、インドネシアとかタイとかも増えてますね。観光バス(の需要)は、突然、戻ってきた。いっぺんに忙しくなっている状態で、今でちょうどギリギリ。これ以上、増えると、乗務員の休みがなくなる。外国人で大阪に来られる方もたくさんいるのに、(GWは)輪をかけて、国内旅行があるから。もうちょっとなだらかにいってほしい」
今年のゴールデンウィーク、国内を旅行する人の数は、去年の1.5倍ほど増えて、コロナ前の2019年より多くなる見込みです。
◆旅行業界などに詳しい航空・旅行アナリストの鳥海高太朗さんに聞きました。
ゴールデンウィークに大都市圏で旅行者が増えることで懸念されるのは“オーバーツーリズム”だといいます。観光地で過剰に観光客が押し寄せることで、地域住民の生活などに負の影響を与え、観光客の満足度も低下させる状況のこと。具体的には、交通渋滞、観光客の騒音、観光地・飲食店などに入れないなどです。
鳥海さんに混雑回避の対策について聞きました。キーワードは“対面型イベントの復活”です。
地方に住む方は、あえてゴールデンウィークに都市部に旅行に行かず、地元で楽しむ。コロナが収束してきて、地方で開催されるイベントも増えています。また、地方から地方へ行くのも一つの方法だといいます。
都市部に住む方は、混雑する時間・場所を避ける。例えば、飲食店で食事をする時間をずらしたり、観光地から少し離れた穴場の店を狙うなどする。また、都市部から少し離れた場所へ、車ではなく電車で移動することで渋滞や混雑を避けることができるといいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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