倒壊寸前“廃墟化”商店街…店主悲鳴「建て替えできない」 “取り壊しできない”理由(2023年4月11日)

倒壊寸前“廃墟化”商店街…店主悲鳴「建て替えできない」 “取り壊しできない”理由(2023年4月11日)

倒壊寸前“廃墟化”商店街…店主悲鳴「建て替えできない」 “取り壊しできない”理由(2023年4月11日)

 宮崎市の中心部にある商店街。建物は大きく傾き、いつ倒壊してもおかしくない危険な状態です。それにもかかわらず、建て替えができずに、今も営業を続けている店がありました。

■近所の人「ブロック塀落ちてすごい音」

 宮崎市の中心街。ビルに囲まれた場所に、突如として現れたのは、錆(さび)や苔(こけ)に覆われ、密集する建物。

 大通りから1本路地に入ると、左に大きく傾いた建物もあります。元々、柱の一部だった木材は剥がれて、電線から宙ぶらりんの状態になっています。

 さらに、市街地に荒れ放題で残されていたのは、開業から70年以上の商店街「青空ショッピングセンター」です。

 開業直後は40軒以上が軒を連ね、買い物客でにぎわう大きな商店街でしたが、現在はそのほとんどが閉店しています。

 地元の人:「本当に、ビックリというか。落ちてきそうですしね、破片とか」「通らないようにしようとは思いますね」

 近所に住む人は、危ない思いをしたこともあるといいます。

 近所の人:「この前の雨ですよ。ブロック塀が落ちて、すごい音でしたよ。物が落ちてきましたから、目の前に。怖いです」

■営業続ける“苦悩”「これ以上壊れると…」

 そんななか、今も営業を続ける店があります。

 稲口商店 稲口文男店主(80):「雑穀、豆類。手作りのらっきょうとか(販売)。もう(販売数は)昔の10分の1あるかないか」

 商店街の開業当初から営業を続ける「稲口商店」。1階の店内には、創業当時と変わらない昔ながらの商品が並びます。

 しかし、2階は窓ガラスが何枚も抜けてしまっていて、中もぐしゃぐしゃです。屋根も剥がれた瓦が散乱し、いつ落ちてきてもおかしくない状態になっていました。

 稲口店主:「この前も、がれき落ちてきた。このコンクリ」「(Q.重さもあるんじゃないですか?)あります。ドドドーン」

 さらに雨が降る度に雨漏りし、店の商品が水浸しになることもあるそうです。

 稲口店主:「屋根が役目を果たしてない」「(Q.雨の時は?)もう(店)出せません」

 劣化が進み、閑散とした商店街ですが、かつてはたくさんの人で活気に満ちあふれていたといいます。

 稲口店主:「大変にぎやかでしたよ。12月後半は、上野のアメ横状態になってた」

 かつては通路にはみ出すほどの商品が店先に並び、買い物客が所狭しと押し寄せた商店街は、宮崎市の「台所」として地元住民から愛される存在になっていました。

 しかし、大型商業施設ができたことなどをきっかけに買い物客は激減。20年ほど前から閉店が相次いだといいます。

 元々、精肉店だった場所も、15年以上前から空き店舗に…。人の手が離れた建物の中は、天井から落ちてきた木の柱やがれきが粉々に散って、床を埋め尽くしています。

 手入れをする人がいなくなった商店街は、あっという間に老朽化が進んだといいます。

 アーケードの中は、さらに危険な状態に…。今にも屋根が崩れ落ちて来そうです。梁(はり)は壁から離れてしまっていて、支えの意味のなしていない状態です。

 2階の床の土台部分が波打つように歪んだ建物。ボロボロの壁には無数のすき間があり、ほんのわずかでもバランスを崩せば倒れてしまいそうです。

 別の場所でも、縦に太い亀裂が入った壁があります。その横では、割れ目から崩れて剥がれ落ちている所もありました。

 そして、15年以上放置された店舗跡には、窓を開けっ放しにしているためか、床に大量の泥や落ち葉が…。こたつやソファーなどの古い家具が部屋中に散らかっていて、かつてここに人の営みがあったことが生々しく残されています。

 稲口店主:「(Q.出入りするの危ないのでは?)はい、危ない。ちょっとした、聞きなれない音がしたら退避するように」「(Q.親戚からはどう言われている?)電話きて『すぐやめて』と。危ないと。これ以上壊れると、もう限界ですもんね」

■“取り壊し”できない理由「所有者不明」

 この商店街では、以前から取り壊しを求める声も上がっていましたが、踏み切れない理由があるといいます。

 商店街の建物は長屋になっていて、所有者の数は、なんと70人以上。1つの建物に何人もの所有者がいますが、高齢化が進むにつれ、亡くなる人や連絡が取れない人が増えたことで、問題が起きていました。

 稲口店主:「うちだけの壁・屋根じゃないんで。隣が許可くれないと(撤去できない)。それが両方にあるわけですから」

 行政が取り壊しや再開発をするにも、連絡が取れない以上、手の施しようがなかったといいます。

 宮崎市 担当者:「相続がされていない建物・土地もあるので、たどりようがないものもあります。個人の財産になるので、行政が取り壊すとか差し押さえるということはできない」

 辺りが暗くなり、異様な静けさに包まれる商店街。そんななか、商店街のすぐ横に明かりの灯った店があります。

 地元の果物を使ったフルーツビールが人気の「青空エール」。

 客:「先週も来ました。間違いなくおいしい」

 県庁の職員だったオーナーが、7年前にオープンした店です。

 青空エール 前田康生オーナー:「(Q.近くにお店を作った理由)この辺りは6年前くらいは、そこまでの状態ではなくて。レトロ的な雰囲気も感じさせる場所だった」

 これは10年ほど前の商店街の様子。所々、錆はあるものの、建物は真っすぐ建っていて、壁に目立った傷もありません。

 しかし徐々に壁が剥がれ、木の骨組みがむき出しに…。そして去年、追い打ちを掛けるようにして襲ったのが、「台風」です。

 前田オーナー:「去年の台風で、一段と老朽化がひどくなって」

 屋根は崩れ落ち、2階は吹きさらし状態の場所も…。雨風にさらされた建物は、ますます腐食していったといいます。

 倒壊の恐れがあるにもかかわらず、所有者と連絡が取れないことで放置されてきた商店街。しかし、今月から制度が改正されたことで、改善への兆しが見えてきたといいます。

 前田オーナー:「再開発なり、生まれ変わるというのは、望ましいことだと思います」

 制度の改正により、今後変わることとは…?

■今月から“制度改正”…修繕・解体は?

 これまでは、建物を修繕・解体する場合、所有者全員の同意が必要でした。

 ただ、今月から制度が変わり、大規模修繕の場合は連絡が取れる所有者の持ち分の過半数の同意で可能になります。

 解体する場合は、裁判所が、連絡が取れない所有者に変わり、管理人を選任して、この管理人を含めた所有者全員の同意で解体が可能になります。

 宮崎市の担当者は「専門のコンサルタントと、どんな再開発プランや事業が可能か調査中で、老朽化で安全面・衛生面で不安が大きいので早急に対処したい」といいます。

(「羽鳥慎一モーニングショー」2023年4月11日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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