「ウクライナは生きている」ゼレンスキー大統領が“新演説” 侵攻1年の犠牲に黙とう(2023年2月24日)

「ウクライナは生きている」ゼレンスキー大統領が“新演説” 侵攻1年の犠牲に黙とう(2023年2月24日)

「ウクライナは生きている」ゼレンスキー大統領が“新演説” 侵攻1年の犠牲に黙とう(2023年2月24日)

 ロシアによるウクライナ侵攻から1年。日本時間の24日午後5時すぎから、ゼレンスキー大統領の新たな演説が公開されました。ゼレンスキー大統領は多くの兵士を前にして停戦の見通しが立たないなか、これまでの犠牲者を悼み、「ウクライナは生きている」と国民を鼓舞しました。

 ■ゼレンスキー大統領が“新演説” 侵攻1年「ウクライナは生きている」

 日本時間の午後5時すぎ、ゼレンスキー大統領が兵士らを前に演説する映像が公開されました。

 ゼレンスキー大統領:「ウクライナは生きている。そして、この誇りは、ウクライナと我が国の自由のために命を落とした多くの英雄たちのことを忘れてはならない。国家と市民のために」

 ■ロシアが“集中攻撃”「町が破壊」

 その町の建物は、ほぼすべてがただの壁になりました。その壁と壁の間を走るのはロシア軍の戦車です。

 現地の警察:「町は完璧に破壊されました。完璧にです。破壊されていない建物はひとつもありません」

 ロシア軍が今、制圧を狙うのは東部の要衝バフムトです。この町もまた、徹底的に破壊されました。ウクライナ軍は抵抗を続けています。

 ウクライナ兵:「最悪なことは、すでに1年前に起きました」

 1年前、2022年の2月24日は、ロシアのプーチン大統領が「特別軍事作戦」の開始を表明した日です。

 プーチン大統領:「ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国と結んだ友好と相互援助条約に従い、特別軍事作戦を私は決定した」

 ロシア軍は、すぐに行動を開始しました。

 記者:「今、大きな爆発音が聞こえました。まさに私の後ろで。キーウで今、大きな爆発が発生しています。ホテルの屋上にいますが、(爆発の)場所は分かりません」

 ■開始直後から「大きな爆発」

 戦火が広がるなか、多くの女性や子どもたちは国外への避難を余儀なくされました。侵攻当初、ロシア軍は首都キーウの近郊にまで迫っていました。その後、ウクライナ軍に奪還された町ブチャで見つかったのは拷問を受け、虐殺された数多くの民間人の遺体です。この1年、ロシア側が攻撃の対象としてきたのは行政やインフラ、民間の施設です。

 CNN記者:「アパートで救急隊員が負傷者を探している時に砲撃の嵐に遭い、隣の建物に直撃しました。急いで離れます」

 中部の町クレメンチュクでは、多くの買い物客でにぎわうショッピングセンターがミサイルの攻撃を受けました。

 南部マリウポリでは出産を控えた妊婦らがいる病院が、ロシア側に爆撃されました。多くの子どもたちが身を隠していた劇場も爆撃されました。

 町が完全にロシア軍に包囲されるなか、ウクライナ側の兵士は、アゾフスタリ製鉄所にこもり抗戦を続けてきましたが、去年5月、マリウポリはロシア側に制圧されました。

 ■“ロシア併合”に住民「言葉がない」

 プーチン大統領が、東部と南部4州の一方的な併合を宣言したのは、去年の秋。ロシアは現在、そのうちの東部の2州、ドネツク州とルハンシク州の全域を来月中にも制圧しようとしているとみられています。

 住民:「言葉がない。68歳になって、家を失った」

 ロシアでも侵攻の開始当初、各地で反戦デモが起こりました。しかし、それは徹底的に弾圧されました。また去年9月には兵力を補うため、部分動員令を発令。徴兵を逃れようとするロシア人の国外脱出が相次ぎました。

 ■ゼレンスキー大統領 G7首脳らと会談へ

 一方、「抵抗の象徴」となったのはウクライナのゼレンスキー大統領です。

 ゼレンスキー大統領:「大統領がここにいる。皆がここにいる。軍隊がここに、市民がここにいる。私たちは皆、ここで国の独立を守っています」

 毎日、国民に向けたビデオメッセージを配信し、各国の議会で演説。

 ゼレンスキー大統領:「世界はウクライナ人の勇気と同じくらい、イギリスの指導力を必要としている」

 支援を訴え続けています。対して各国の首脳らもキーウを訪問し、連帯の意を示しています。そして、侵攻開始1年となる今月24日、ゼレンスキー大統領はG7首脳らとオンラインで会談します。

 ゼレンスキー大統領:「我々は打ち負かされなかった。そして、今年は、勝利を得るために全力を尽くす。ウクライナに栄光を!」

 ただ、隣国ポーランドで資金不足により、避難所の閉鎖が相次ぐなど、ウクライナ国外へと逃れた人々への支援は厳しくなってきています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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